肉体改造の初心者が16週間でガッツリと体を変える「PRISEプロトコル」
初心者向けの肉体改造法「PRISEプロトコル」
当ブログでは、有名大学が行った「トレーニングプロトコル」を定期的に紹介しております。世間にはいろんなトレーニング法がありますけど、ちゃんと実験で効果が認められたものを紹介したほうが効率的ですからね。
たとえば過去に紹介したものだと、
あたりが個人的にはオススメ。いずれも一線の学者さんが考案したプロトコルなんで、実践できれば効果は見込めるかと思います。
で、ここで新しく取り上げたいのが「PRISEプロトコル」ってやつ。スキッドモア大学のポール・アーチエーロ博士が開発したテクニックで、できるだけラクに運動能力を改善し、疲労の回復力を促進し、適切な栄養が満たされるようにデザインされております。
最小限の努力でそれなりに引き締まった体を作る
このプロトコルが良いのは、
- カロリー制限はしない
- さほどキツい運動もしない
- 従来の食生活を大きく変えない
ようになってるとこ。上に並べた各プロトコルはハードな運動をするものが多いんですけど、そこまで追い込まずにほどほどの成果が見込めるようになってるんですな。その点ではガチのボディメイクには向かないものの、最小限の努力でそれなりに引き締まった体を作りたい人にはよいのではないかと。
PRISEプロトコルを実践する5つのポイント
具体的にPRISEプロトコルがどんなものかというと、大きく5つのポイントから成り立っております。
1.タンパク質ペーシング(Protein Pacing)
1日にホエイプロテインアイソレートを3〜6回ずつ飲む方法。通常は体重1kgあたり1.3〜2gのホエイプロテインを1日に消費するのが基本で、だいたい1回20〜30gを飲むケースが多い感じ。
プロテインを飲むタイミングとしては、
- 朝起きてウォーキングを開始する1時間前までに1回
- 15時〜16時のあいだに1回
- エクササイズがある日は、運動後30分以内に1回
- 夜寝る2時間前に1回
ってのがベーシックなスタイル。プロテインを1日6回に分けたいときは、これに加えて昼食や夕食と一緒に飲めばOKであります。とにかく、プロテインを細かく飲むことでタンパク質合成の量を増やし、食事誘発熱産生(タンパク質の消化に必要なカロリー)を上げ、ついでに食欲を減らしていくのが目標であります。
2.筋トレ( Resistance Training)
筋トレは週1回、好きなタイミングで行う。ポイントとしては、
- 筋トレの総時間は1時間
- 各メニューは1セット10〜15回。これを2〜3セット行う
- セット間の休憩は30秒。各メニュー間の休憩は60秒
- それぞれのメニューは、完全に筋肉が疲労するまで追い込む(もう少しも体が動かせないレベル)
といった感じになっております。さらに具体的なメニューとしては、
- 動的ストレッチ
- フットワークドリル(敏捷性を鍛えるトレーニング)
- 下半身の筋トレ(スクワットとかランジとか)
- 上半身の筋トレ(腕立て伏せとか)
- 体幹トレーニング(腹筋とか)
だそうな。総計1時間だし週1回でいいしで、非常に初心者に優しい内容ですね。
3.インターバル・スプリント・トレーニング( Interval Sprint Training)
続いて有酸素運動で、こちらも週1回のペースで行います。おおまかなルールとしては、
- 1回のセッションは35分以内
- 「30秒だけ全力でスプリント → 4分の休憩」のサイクルを7回くり返す
- または、「60秒だけ全力でスプリント → 2分の休憩」のサイクルを10回くり返す
って感じです。SITのプロトコルに似てますが、こちらのほうが休憩時間が多いので、なんとか初心者でも続けられるレベルじゃないでしょうか。
ちなみに、トレーニングの内容は何でもOKで、
- ランニング
- エアロバイク
- 高速スクワット
- スイミング
などでも構いません。自分の環境と体力レベルに適したものを選んでいただければ幸いです。
4.ストレッチ(Stretching)
さらにストレッチも週1で行います。こちらは1回60分以内で行うのが基本で、ヨガやピラティスを使えばOK 。You Tubeをちょっと探せば、
- 59-Min Yoga To Start Your Day - Morning Yoga
- 1 Hour Vinyasa Flow For Flexibility - 60 min Intermediate Yoga
- Intermediate Total Body Vinyasa Flow Yoga - 60 Minutes
みたいなのが出てきますんで、こちらも自分の柔軟性に適したものを選んでいただければ。
5.持久トレーニング(Endurance Training)
最後に持久トレーニングも週1ペースで行います。こちらも1回60分以内が基本で、最大心拍数の60%ぐらい(軽いジョギングレベル)でやればOK。
内容も何でもアリで、ランニング、サイクリング、トレッドミル、スイミングでも何でもよし。ご自分の体力に応じて選んでいただければと。
PRISEプロトコルの定番スケジュール
以上の5つが「PRISEプロトコル」の基本。それぞれの頭文字を取ってPRISEと呼んでるわけですね。
1週間のだいたいのスケジュールとしては、
- 月曜日 筋トレ
- 火曜日 インターバル・スプリント・トレーニング
- 水曜日 オフ
- 木曜日 ストレッチ
- 金曜日 持久トレーニング
- 土曜日 オフ
- 日曜日 オフ
って感じになります。週に3日も完全オフがあるし、筋肉や心肺機能をまんべんなく鍛えられるしで、これから肉体改造を始めてみたい人には非常によいのでないかと。
最後にPRISEプロトコルの効果を見とくと、2014年に51人を対象にしたRCT(1)が行われております。これは16週間の実験で、参加者にPRISEプロトコルを続けてもらったところ、普通に筋トレをしたグループよりも、
- 腹部の脂肪が14%減!
- 心肺機能、筋力、心血管の機能などがすべて大きく改善!
って結果が出たんですな。いやー、凄いもんですな。
ってことで、「バキバキの体を作りたい!」という方には向かないものの、「まんべんなく体を改善したい!」って方には最適じゃないでしょうか。カロリー制限もいらないし運動もラクなんで、とりあえずこれを3カ月やってみるのがオススメ。また、上記の実験では、ホエイプロテインアイソレートが使われてますんで、「ファイン・ラボ ホエイプロテイン」などを使うのが良いかと思われます。