「ボケ予防のブレイクスルー」と絶賛される「スピードプロセッシングトレーニング」とは?
痴呆リスクが劇的に下がる脳トレとは?
海外で「これぞボケ予防のブレイクスルーだ!」と絶賛されてる論文(1)がありますんでご紹介します。
これは南フロリダ大学の実験で、約2,800人の高齢者が対象。ざっくり言うと、「スピードプロセッシング」っていうゲームタイプのトレーニングを試したら、なんと痴呆のリスクが29%も減ったよ!という内容になっております。確かに凄い成果っすな。
この実験は、「認知トレーニングはボケ予防になるのか?」って問題に取り組んだ長期研究の一貫でして、脳トレ系のゲームでアルツハイマーや記憶力の低下は食い止められるかをチェックしたんですな。現時点では最大級の内容でして、割と信頼性は高め。
その名はスピードプロセッシングトレーニング
参加者の年齢は平均で74才で、全体を3つのグループにわけております。
- 記憶力アップの手法を学ぶ(記憶の宮殿とか)
- 論理的に考える手法を学ぶ(クリティカル・シンキングとか)
- スピードプロセッシングトレーニングをする
「スピードプロセッシングトレーニング」ってのは、脳の反応速度を鍛える脳トレの一種。プレイヤーは、画面の中央に現れる「特定のオブジェクト」(車とか)に注目しつつ、その周囲に現れる別のオブジェクト(道路標識とか)を同時に認識していく感じ。
と言われてもわかりにくいと思うので以下の動画をどうぞ。非常にシンプルなゲームで、「N-Back課題」なんかと比べると簡単でいいですねー。
トレーニングの回数は6週間で10回ずつ。1回のトレーニングは60〜75分かかったとのこと。 そのうえで全員に定期的な認知テストをしまして、実に10年にわたって参加者の変化を追いかけ続けたんですね。
トレーニングをすればするほど効果は上がる
で、結果は最初に書いたとおり「スピードプロセッシング」の勝利。具体的な認知症の発症率をあげると、
- 何にもしなかったグループは10.8%
- 記憶や論理のトレーニングを受けたグループは9.7%と10.1%だった
- スピードプロセッシングトレーニングを受けたグループは5.9%だった
だったらしい。これは思ったより差が出たもんですな。
研究者いわく、
用量反応を調べたところ、スピードプロセッシングトレーニングを受ける回数が多い参加者ほど、より認知症の予防効果が得られることがわかった。
ってことで、やればやるほど認知症リスクは下がるのではないか、と。記憶や思考の訓練をするよりも、シンプルなゲームをやったほうがいいってのは意外ですねぇ。
ちなみに、スピードプロセッシングトレーニングは「BrainHQ」ってサイトで受けられるみたいなんですけど、なんか面倒なので試しておりません。もうすぐ70になる母親に勧めてみようかしら。