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60秒で食べ過ぎの確率を大きく下げる心理テクニックとは?

Imagination

 

 満腹を想像するだけでも食べ過ぎは減る

心理的に食べ過ぎを止める方法」ってのはいろいろあるんですけど、近ごろ出た論文(1)は「俺は腹いっぱいだ!と想像するだけでも結構イケるよ!」というシンプルなソリューションになっておりました。

 

 

これはユトレヒト大学の実験で、111人の男女が対象。実験デザインは非常にシンプルで、

 

  1. 60秒だけ「空腹な自分」をイメージ
  2. 60秒だけ「満腹な自分」をイメージ

 

って2グループに全体をわけたんですね。

 



 

ヒトは脳内イメージだけでも簡単に行動が変わる

その後、参加者たちに、様々なサイズのポップコーン、チョコレートアイス、ポテチを見せて「好きなものを選んでください」と指示したところ、「満腹な自分」グループのほうが、小さいものを選ぶ確率が格段に高かったんだそうな。いやー、これはシンプルな解決策ですな。

 

 

ちなみに、この論文では「満腹と空腹」のほかにもいろんなテストをしてまして、たとえばひとつめの実験では111人の参加者に対して、

 

  1. 30秒だけ「寒い環境」にいる自分をイメージ(雪山とか氷河とか)
  2. 30秒だけ「暑い環境」にいる自分をイメージ(砂漠とか溶岩とか)

 

みたいな想像をしてもらったそうな。その後で参加者の希望を調べたら、「寒い環境」をイメージした人は熱い風呂に入りたくなり、「暑い環境」では冷たいシャワーを浴びたい気持ちが高まってたんですな。なんとも単純ですが、やっぱ人間は脳内のイメージに行動が大きく左右されるもんなんですね。

 

 

食べ過ぎそうなら事前に1分間の妄想をどうぞ

この研究チームは2013年にも似た実験(2)をしていて、この時は、

 

  1. 参加者に「塩気の強い食品」の写真を見る
  2. 参加者に「甘味の強い食品」の写真を見る

 

って介入をしただけで、参加者の行動が大きく変わったとか。研究者いわく、

 

この研究は、頭のなかで身体感覚を刺激するだけでも、その後の行動を変えられることを示している。

 

ってことなんで、なんか食べ過ぎちゃいそうなときなどは、事前に1分だけ「満腹な自分」を想像しとくと少しは楽になるんじゃないでしょうか。

 

 

ちなみに、その他のメンタルテクニックとしては、

 

 

 なんてのも紹介してるんで、合わせてご参照くださいませ。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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