パレオ式「AIPダイエット」でアレルギーや自己免疫疾患が激しく改善?
「パレオ式アレルギー対策ダイエット」とは?
以前、当ブログで「30日間リブートダイエット」ってのを紹介したことがありました。
これは、ざっくり言えば「パレオダイエット」の極端バージョンでして、小麦や加工食品といった定番のNG食品にくわえて、豆類、乳製品、ナス科野菜、チョコ、酒、卵なども取り除くのが大きな特徴。
要するに、「少しでもアレルギーを起こしそうな食品は徹底的に省いてみよう!」って発想でして、海外のアレルギー治療なんかを参考にしてしてたり。海外のパレオダイエット界では「AIP」などと呼ばれることが多いですね(「自己免疫プロトコル」Autoimmune Protocolの略)。
「AIP」の効果をチェックした論文がついに出た
何度か書いてるとおり、私は生来のアレルギー体質でして、いきなり謎の不調に落ち込むケースが昔から多かったんですよ。ところが、このリブートダイエットを定期的に導入してからは体調がよく、以前のようにいきなり顔中に謎のニキビができたり、起き抜けにくしゃみが止まらなくなったりみたいなことはなくなったんですな。ありがたいことです。
が、残念ながら「AIP」の考え方はまだ新しいもんで、ちゃんとした実験がなかったのが難点。いろんな人に効果があるのかは、よくわかってなかったんですね。
そんな状況下、近ごろついに「AIP」に関する良い論文(1)が出まして、個人的にちょっと盛り上がってるところです。
自己免疫疾患の患者さんにAIPをやってもらった
これはスクリプスクリニックの実験で、IBDの患者さん15人を対象にしております。IBDってのは免疫が暴走して自分を攻撃しちゃう「自己免疫疾患」の一種。いまんとこ治療法が確立されておらず、「プロバイオティクスが効くかも?」などと言われてきたんですね。
実験期間は6週間で、まず参加者には「パレオ式アプローチ(The Paleo Approach)」と「自己免疫疾患用パレオ式クックブック(Autoimmune Paleo Cookbook)」って本を2冊読んでもらったらしい。どちらも「パレオダイエットでアレルギーを改善しよう!」という内容でして、私も以前に読んで非常に勉強になりました。ちょっと内容が専門的ですけど、英語が得意な方は読んでみるとよろしいかと思います。
その後、参加者は6週間ほど「アレルギーを起こしやすい食品」を徹底的に除去。具体的には、
- すべての穀類
- 豆類
- ナス科植物
- 乳製品
- 卵
- コーヒー
- アルコール
- ナッツや種子類
- 精製砂糖と油
- 食品添加物
を完全にカットしたらしい。通常のパレオダイエットでは卵は優良食品なんですけど、かなりアレルギーを起こしやすいので「AIP」ではNGであります。
まさかの11人が寛解の状態に!ナイス!
さて、それで参加者にどんな変化が起きたかと言いますと、
6週間の介入で11/15 (73%)の参加者が臨床的寛解を達成した。その後、寛解した11人は、維持期でも寛解の状態をキープし続けた。
臨床的寛解ってのは、IBDによる炎症がまったく起きない状態のことで、治療の大きな目標のひとつ。いったん「AIP」を止めて、少しずつアレルギー食品を増やしても寛解の状態が続いたというから凄いもんです。
もちろん、これは参加者の数が少ないしコントロール群もないので、実験としての精度はかなり低めです。そこはご注意いただきたいものの、「AIPの考え方で自己免疫疾患が良くなるのでは?」ってのはかなり希望がある話じゃないかと。
実際に試すと穀類&卵がNGってかなり辛いんですけど(特に外食はほぼ不可能)、自己免疫疾患やアレルギー体質の方は、試しにやってみても損はないだろうと思われます。どうぞよしなに。