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バーチャルリアリティで頭を良くする方法が発見された件

Einstein

 

バーチャルリアリティで頭が良くなる!」っていうおもしろい研究(1)が出ておりました。

 

これはバルセロナ大学の論文で、研究者の問題意識はこんな感じ。

 

バーチャルリアリティは、あなたの架空の体を作り出す。これは「バーチャルエンボディメント」と呼ばれる状態だ。

 

没入感が強いバーチャルな環境においては、被験者は新たな体と自分の動作がマッチするため、架空の体が自分のものであるかのような強力な幻想を生み出す。

 

この研究では、バーチャルエンボディメントが認知機能に影響があるかを調べた。もし極度に知性が高い人物で架空の体を作り上げたら、私たちの本当の体も知性が高くなるのだろうか?

 

ってことで、ここでは30人の若者を集めまして、みんなに認知テストを指示。計画性や問題解決のスキルをチェックした後で、以下のようなVRスーツとヘッドセットを着けてもらったんだそうな。

 

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その上で、さらに全体を以下の2グループに分けております。

 

  • グループA:アインシュタインの体に変身する
  • グループB:普通の中年男に変身する

 

a

 

で、しばらく「アインシュタインごっこ」を楽しんでもらったとで再び認知テストを試したところ、

 

  • アインシュタイングループは認知機能がアップ!(=頭が良くなった)
  • ついでに、老人に対する無意識の偏見が減った!(「老人は体力がない!」とか「老人は認知機能が低下する!」みたいなやつ)

 

ってことで、どうもアインシュタイン になりきっただけでも頭が良くなったみたいなんですな。いやー、これは単純ですね。

 

 

でもって、ここでおもしろいのが、

 

  • 実験前に自尊心のスコアが低かった人ほど頭が良くなってる!

 

って傾向が出てるとこでしょうね。つまり、一時的にアインシュタイン を演じたことで自信がつき、おかげで認知テストにも余裕を持ってのぞめたわけですな。

 

 

研究者いわく、

 

自尊心が低い人にとって、このテクニックは認知機能をあげるための有用な手段になるかもしれない。

 

とのこと。いまのところアインシュタイン のVRを気軽に試すのは無理なんで、とりあえず頭のなかに「偉大な科学者になった自分」をイメージしてみるだけでも違ってきそうではあります。

 

 

いずれにせよ、不安が脳の機能を下げるってのはほぼ確実な話なんで、とりあえず頭を良くするためにもある程度の自尊心は高めておきたいところです。具体的な不安対策としては、「デューク大学「不安に強い脳を作るためのトレーニング法はこれだ!」」なんかが参考になるかもしれません。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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