筋トレビギナーの筋力&筋肉量アップに役立つかもしれない「ピリオダイゼーション」の考え方
ピリオダイゼーションが効くのは間違いない
このブログでは、よく「ピリオダイゼーション」って筋トレ法を取り上げてるわけです。
これは「トレーニングごとに細かく負荷を変えていく」という手法で、たとえば私がやってる「「パレオ式」の超シンプル筋トレメニュー」にも取り入れてたりします。その効果は過去にも何度か証明されてまして、
- 筋肉がなかなか増えない!を解決する「DCL」トレーニングメソッド
- 12週間で体脂肪10%減!筋肉5%増!を目指す「タンパ大学式」筋肉トレーニング
- 肉体改造の初心者が16週間でガッツリと体を変える「PRISEプロトコル」
- 16週間の筋トレで筋力を最大77%アップさせる「サンパウロ大学式ピリオダイゼーション」
といった名だたるメソッドで採用されております。
果たしてピリオダイゼーションは筋トレビギナーにも効くのか?
とりあえず、いまのところは、
- 普通の筋トレよりは筋力がアップするのはほぼ間違いない
って感じでして、ここらへんは近年のメタ分析(1)でも確認されてたりとか。効率のよい筋トレメソッドとして導入するのはいいんじゃないでしょうか。
ただ、この手法には問題点もありまして、昔から「筋トレエキスパートしか意味がないんじゃない?」ってのが定説だったんですよ。わたしもこの説を信じてまして、過去のエントリにも「ピリオダイゼーションは筋トレの効果が薄れがちな中上級者に効果的なテクニック」などと書いております。
ところが新しい論文(2)では「初心者にもピリオダイゼーションは効く!」って結論になってて、「あらー」みたいな感じになりました。
普通の筋トレ vs ピリオダイゼーション!
これはタンパ大学の実験で、33人の筋トレ初心者を対象にしたもの。実験期間は12週間で、3つのグループにわけております。
- 普通の筋トレ=決まった負荷とセットをくり返す
- 伝統的ピリオダイズ=少しずつ負荷とセット数を上げていく
- ピリオダイゼーション=日によって細かく負荷とセット数を変える
って感じですが、ちょっとわかりにくいんで、具体的にどんな風に負荷とセットを変えたかも見ときましょう。
- 普通の筋トレ
- 第1週〜12週まですべて3 x 8RMで行う
- 伝統的ピリオダイズ
- 第1週〜4週=3 x 12RM
- 第5週〜8週=4 x 8RM
- 第9週〜12週=3 x 4RM
- ピリオダイゼーション
- 第1週〜4週=月曜:3 x 12RM 木曜:4 x 6RM
- 第5週〜8週=月曜:3 x 10RM 木曜:4 x 6RM
- 第9週〜12週=月曜:2 x 8RM 木曜:4 x 4RM
ピリオダイゼーションが、細かくセット数と負荷を変えてるのがお分かりいただけるのではないかと。ちなみに、ここで出てくる「RM」の意味がわからない方は「タンパ大学式」筋肉トレーニング」などをご参照ください。
もちろん、すべてのトレーニングボリュームは同じにコントロールされていて、
- トータルで運動をした回数=976
- セッションほどの回数=40.6
に統一されてます。果たして、細かくトレーニングの負荷を変えるだけで違いが出るか?を見たわけですな。
ピリオダイゼーションは筋トレビギナーにも意味があるっぽいぞ
では、そこでどんな結果が出たかと言いますと、以下のような感じです。
- 筋力の変化=全グループとも同じぐらいスクワットの筋力が発達した。ただし、実験の中間から実験後の効果量はピリオダイゼーションが最も高い(0.58)。いっぽうだ普通の筋トレは、実験の中間から後は特に筋力が増加しなかった。
- 筋肉量の変化=全グループとも同じぐらい筋肉が増えた。ただし、実験の中間から実験後の期間にかけては、「伝統的ピリオタイズ」と「ピリオダイゼーション」グループにだけ有意に筋肉量の増加が確認された。
ちょっと解釈が難しいかもしれませんが、要するに「ピリオダイゼーションをやると、筋トレ初心者でも『トレーニング慣れ』を防げるかもよ!」ってことです。筋トレを続けていると、どんな人でも体がトレーニングが慣れて効果が出にくくなるんですが、この問題を防げるかも知んないわけですな。
まぁこれは12週間の研究なんで、長期的にどんな違いがあるかはよくわからんのですが、とりあえず筋トレビギナーでもピリオダイゼーションを導入してみる価値はあるのかもです。お試しあれー。