若い人のうつ病が増えているのはファストフードの影響では?って説が出てた件
「若い人のうつ病が増えている!」ってのはここ数年でよく聞く話です。まぁ10代のころに問題行動が起きやすいのは世界的な現象でしたけど、近年はメンタルが不調を起こす若者が増えてるらしいんですよね。
たとえば、2005年〜2017年にかけて61万人を調べたデータ(R)だと、12〜17歳におけるうつ病の発症率は2005年ごろから63%も上昇したなんて話が出てたりします。いやー、怖いっすね。
このような問題が起きた原因についてはいろんな考え方がありまして、
- 睡眠不足が原因じゃない?
- SNSの使いすぎじゃない?
- もしかしたら気候の変化が原因?
などと諸説紛々だったわけですが、新しい調査(R)では「ファストフードの影響もデカいでしょ!」って話になってて興味深いです。
これはアラバマ大学の研究で、84人のティーンエイジャー(平均13歳)を対象に、以下のポイントを調べてます。
- 2週間かけてインタビューを行い、メンタルの不調はないかをチェック
- 全員に尿検査を行い、ナトリウムとカリウムのバランスをチェック
- さらに1.5年後に再び全員のメンタルをチェック
なんでナトリウムとカリウムを調べたかといえば、これが健康的な食生活の指標として使えるからです。当然、カリウムが多ければ「ふだんから野菜を食べてるんだろうなー」と推測できますし、逆にナトリウム(≒塩分)が多ければ「ファストフードみたいな加工食品をよく食べてるんだろうなー」と推測できるわけです。
で、その結果は大方の予想通りでして、
- ナトリウムが多い子供はメンタルを病む傾向が強く、カリウムが多い子供はメンタルが健やかだった!
って感じで、この傾向は子供達の体重や血圧などを調整しても残ったそうな。研究チームいわく、
ナトリウムが多い食事といえば、誰もが加工食品を思い浮かべるだろう。ファストフード、冷凍食品、不健康なスナック菓子などだ。
同じように、カリウムが足りない子供は、野菜とフルーツや健康的なタンパク源を食べていない可能性が非常に高い。すなわち、サツマイモ、ほうれん草、トマト、バナナ、オレンジ、アヴォカド、サーモンなどだ。
とのことで、「加工食品はメンタルに悪い!」って考え方をあらためて裏づける内容になってました。
まぁこれはかなり小規模な研究ではありますが、2018年のメタ分析(R)なんかでも「食事とメンタルには密接な関係があるよねー」って結論になってますんで、ほぼ疑いのない話ではありましょう。ただし、注意点としては、
若者がもっとカリウムの豊富な食事を心がければ、彼らはより活力に満ちあふれ、気分も改善するだろう。
が、不健康な食事は、それ以外のうつ病のリスク要因とも密接に結びついている。たとえば、社会的な孤立、サポートの欠如、ヘルスケアサービスへのアクセスの欠如などだ。
これらの要因を切り離して、食事がどこまでうつ病の発症に関わっているのかを推定するのは容易ではない。
って問題もありますんで、そこらへんはご注意ください。食事が悪けりゃメンタルがへこむのは確実ながら、そこには貧困やら教育レベルといった複雑な原因がからみますんで、正確なダメージの度合いを把握するのは難しい作業だったりしますんで。どうぞよしなに〜。