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今週の小ネタ:アルツハイマーに効く栄養、生理痛と女性への勉強ダメージ、いまのメンタルの診断

Summary


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

   

 

アルツハイマーにあの栄養が効く?

まずはアリゾナ州立大学などの研究(R)で、「アルツハイマーをコリンが防ぐかも?」みたいな内容になっております。コリンは必須栄養素のひとつで、神経伝達物質の産生に欠かせないんで、頭が正常に働くためには欠かせないと言われてきたんですよ。

 

 

で、今回の研究はマウスを使った実験で、アルツハイマーに近い症状が現れた個体を選び、コリンが豊富な食事を与えまくったんだそうな。すると、何もしなかったマウスに比べて脳の働きがよくなりまして、特に空間的な記憶の改善が顕著だったらしい。

 

 

研究チームいわく、

 

コリンを補充したことで、α7ニコチン性アセチルコリン受容体とシグマ-1受容体に変化が起きた。そのせいでミクログリアに関する症状が緩和されたのだと考えられる。

 

とのこと。この実験で使われたコリンの量をヒトに当てはめると1日2000mgぐらいになりまして、だいたい1日推奨量の4倍ぐらいになる計算ですね。

 

 

まぁこの量をサプリで補うべきかはわかりませんが、コリンが必須なのは確実ですんで、取り急ぎタマゴなんかは定期的に食べておきたいところですねー。

 

 

 

生理痛は女性の勉強にダメージがあるのか?

続いては西シドニー大学などの研究(R)で、「生理痛は女性の勉強にダメージがあるのか?」というテーマを扱ったメタ分析になってます。

 

 

具体的には先行論文から21,573人分の研究を集めたもので、すべてのデータには、生理痛のレベルや学業の成績などが記録されていたそうな。その上で、すべてのデータをまとめたところ、

 

  • 生理痛は有意に女性の学業成績に悪影響を与えている
  • 20.1%の女性は生理痛により授業を休むことが多い
  • 40.9%は生理痛で集中力が維持できず、パフォーマンスも低下したと回答している
  • 生理痛が勉強にもたらす悪影響は、経済レベルや知性にかかわらず確認された

 

って結果だったらしい。研究チームいわく、

 

この傾向は、女性たちの学問に大きな悪影響をもたらしている。これは思ったよりも長期的なダメージをもたらすかもしれない。

 

 

とのこと。なかなか難しい問題ですが、こればかりは普段から炎症対策を心がけておき、できるだけ痛みを減らすようにするしかないでしょうなぁ……。

 

 

 

いまのメンタルの診断ってあんま使えなくない?問題

最後はノートルダム大学などのレビュー論文(R)で、まずは研究チームの問題意識から引用すると、

 

長らくにわたって、多くの人は精神の病を単一の原因によって引き起こされる単一の症状だと考えてきた。レンサ球菌が喉の痛みを引き起こすようなイメージで精神病をとらえてきたわけだ。

 

しかし、精神の病への理解が進むにつれて、この考え方は事実でないことがわかってきた。精神の病は多種多様な要因によって引き起こされるのだ。

 

そこには遺伝的な要因があり、さらに他の生物学的な原因もあり、他に環境的な影響も見逃せない。実に複雑な問題だ。

 

みたいになります。現在ではDSM-5のようなマニュアルで精神の診断を行うのが普通ですけど、こいつはおもに症状別で分類されているもんで、問題をうまく切り分けられないんですよね。たとえば、

 

  • うつ病の人は同意に不安障害と診断されることも多い
  • アスペルガーとADHDが混同して診断されることもある

 

みたいな感じです。症状メインで判断を行うと、精神病が持つ多様な原因が見逃されてしまうのではないか、と。

 

 

というと精神の問題を判断するのは不可能なようにも思えますが、研究チームいわく、

 

メンタルの問題は決してランダムに起こるわけではない。大うつ病と不安障害が同時に発生しやすいように、そこには特定のパターンが存在する。

 

過去の遺伝研究によれば、これらの共通性は、ほぼ特定の遺伝セットによって引き起こされる可能性が指摘されている。

 

もちろん遺伝についてはわからない点が多いが、もし同じ遺伝セットによって2つの病態が引き起こされるのなら、症状を完全に分ける必要もないだろう。

 

とのこと。従来の診断基準だと生理学的指標や神経科学的指標が軽視されてるんで、積極的に取り入れた方がいいんじゃないの?って話ですね。実にごもっともではないかと。


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