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活動量計とか歩数計って運動量を増やすのにどれぐらい役立つの?というメタ分析の話

 

活動量計って運動量を増やすのに役立つの?」って問題に取り組んだメタ分析(R)が出ておりました。最近はスマホでも普通に歩数を測ることができるようになり、個人的にもApple Watchの活動量計を愛用してるわけですが、果たしてこれらの機能により日常の活動量は増えるのか?という疑問ですね。

 

 

これはマンチェスター大学などの研究で、先行研究から質が高めな32件のランダム化試験を選び、4,856人のデータをまとめた内容になっております。被験者を選ぶ基準としては、糖尿病、肥満、過体重、心不全などに悩んでいるものの、なかなか運動量を増やせない人たちを選んだんだそうな。

 

 

実験データの内訳を申し上げますと、

 

  • 大半の研究では活動量計や歩数計を使用
  • 健康のプロによる運動指導を定期的に行うケースも多い
  • 実験の期間は平均32週間

 

みたいになってます。その結果について研究チームいわく、

 

 

今回の研究では、活動量のモニタリングデバイス(特に歩数計)と、健康のプロによる定期的なコンサルテーションの組み合わせにより身体活動の量が増え、さらに政府が定める運動のガイドラインを満たせる可能性が増えることがわかった。

 

 

 

この効果には、活動量計によるフィードバックが効いているのだと考えられる。

 

 

 

とのことで、はっきりした効果が確認されたそうな。では、実際にどんな違いが出たかと言いますと、

 

  • モニタリング系のデバイを使った場合、総合的に見れば、何も使わない場合よりやや運動量アップの効果がある(標準化平均差0.39; 95% CI 0.28-0.51)

 

  • 活動量計を使った場合、何も使わない場合より少しだけ運動量アップの効果がある(標準化平均差0.30; 95% CI 0.16-0.44)。個人差の量は中程度

 

  • 歩数計を使った場合、何も使わない場合よりまあまあの運動量アップの効果がある(標準化平均差0.52; 95% CI 0.32-0.72)。ただし個人差の量は大きい

 

 

みたいになってます。全体的に見れば、少ないながらも「確実に活動量アップに効果あり!」って結論でして、活動量計より歩数計のほうが効果がありそうなのがおもしろいポイントですね。いろんな指標を使うよりも、「歩数」というシンプルな指標に的を絞ったほうが効果的なのかもですが。

 

 

では、さらに具体的に、これらの数値がどれぐらいの活動量の増加につながるのかと言いますと、

 

  • 歩数計を使うと平均で1日1,702.85歩の増加につながる

 

みたいになってます。この数値をどう解釈するかは微妙なんですけど、研究チークいわく、

 

北アイルランドの衛生行政機関は、1日で3,000歩は追加で歩くように推奨している。また、アメリカの運動推奨キャンペーンにおいても、体重の増加を防ぐためには1日で2,000歩は追加で歩くように推奨している。

 

とのことでして、「ちょっと物足りない効果かな〜」という印象を述べておられます。確かにもうちょい歩数は欲しいとこですかね。

 

 

とはいえ、自分の日常的な活動量を数字で把握するのは運動量アップの重要な一歩ですんで、ここらへんは押さえておいて損はなかろうと思うわけです。どうぞよしなに。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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