大気汚染は体だけじゃなくて心も病ませるかもしんないから気をつけや!という観察研究の話
「大気汚染は良くない!」ってのは当たり前で、私も屋外移動のときはブロック用のマスクを着けてたりするわけです。空気が悪いと体にダメージがあるのはもちろん睡眠の質も下がっちゃいますんで、どうにかしておきたいところではあります。
ってところで、近ごろチェックした論文(R)は「大気汚染で精神疾患になる!(かも)」って内容になっててビビりました。
これはシンシナティ大学などの調査で、精神科の専門病院に協力を頼んで2011〜2015年の患者数をチェック。と同時に同じ地域の大気汚染の状態も調べて、2つの相関を見ております。
調査機関のあいだには 6,812人の子供(平均年齢14歳)が病院にかかりまして、総計で13,176回の治療を受けたとのこと。このデータに加えて、子供たちの住所とPM 2.5の被害状況などを加えて、どんな関係があるのかを調べたわけです。過去には大気汚染と犯罪率の関係を調べたデータなどはありましたけど、この手の調査はあんま見たことないっすね。
それでなにがわかったかと言いますと、
- 子供たちが住む場所に、1メートルあたり10マイクログラムの大気汚染が増えてから3日目までは、子供たちが精神病院に駆け込む確率が跳ね上がる
- 特に大気汚染の影響を受けやすいのは適応障害を持つ子供と、自殺傾向を持つ子供である
ということで、かなり怖いことになっております。なんでも大気汚染が増えたあとから、自殺を理想化したりする子供の数も増えるらしい。
研究チームいわく、
この研究は、大気汚染レベルと精神疾患の増加の相関を初めて確かめた。精神疾患の種類は、不安や自殺傾向などだ。
とのこと。さらには、この傾向は貧しい地域に住む子供ほど大きく確認されたそうで、「大気汚染と近隣のストレッサーが相乗効果をもたらしているのかもしれない」と推測しておられます。これはツラい。
ちなみに、ここ最近は似たような報告が増えてまして、145人の子供を調べた別の実験(R)では、車の排ガスによる大気汚染が不安症や鬱症状を引き起こしてる可能性があるそうな。その原因がなにかってのはよくわからんとこですが、おそらくは、
- 大気汚染が体内に入り込む
- 脳が炎症を起こす
- メンタル悪化!
みたいなことだと考えられます。まぁまだまだ科学的な証拠としては弱いレベルではありますが、大気汚染は体だけじゃなくて心も狂わせるかもだ!ってのは心しておきたいところです。都会に住む人は空気清浄機は必須っすね。