今週末の小ネタ:脳の劣化を食い止める習慣、外向性が高い人の食事、コーヒー好きはカフェイン中毒なだけ?
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
脳の劣化を食い止めるなら結局この5つを守るしかないかも
「脳を劣化させたくないなら、結局はこの5つがベストだよねー」みたいな観察研究(R)が出ておりました。
これは1,845人の男女を対象にした調査で、みんなが普段どんな食事をしてるかや、どんな生活習慣を持ってるかや、認知機能などに関するデータを収集。その上で5〜6年ほど全員を追跡して、どのようなライフスタイルを送ってるとアルツハイマーになりにくいのかを調べたんだそうな。
その結果まずわかったのは、
- 5 つのライフスタイルのうち 4つに従うと、アルツハイマー病のリスクが60%減る
ということで、特定のライフスタイルを守れば脳の劣化をかなり食い止めるかもしれないらしい。60%って数値はなかなかデカいっすね。
では、その「5 つのライフスタイル」がどんな内容だったかと言いますと、
- MINDダイエットのような質の高い食事!
- 禁煙!禁煙!禁煙!
- 週に150分の中等度からキツめの運動!
- アルコールは男性1日2杯、女性は1杯まで!
- 趣味や社交的な活動に参加!
のようになってます。いやー、めちゃくちゃ普通なラインナップですけど、結局のところ脳を守るには基礎中の基礎を押さえるしかないんでしょうねぇ。
外向性が強い人は肉が好き
肉をたくさん食べる人は外向的だ!みたいなデータ(R)が出ておりました。こちらはドイツで8,943人を対象に行われた調査データをもとにしてまして、いつもの食事内容とビッグファイブの関係性をチェックしたんだそうな。
まずはその結果をだだーっと並べていくと、こんな感じです。
- 外向性が強い人は肉を多く食べる
- ベジタリアンとビーガンは内向的な傾向が強い
- 神経症傾向と食習慣にはハッキリした関係がなかった
外向的な人が肉好きってのはなんとなくイメージに合ってる気がしますが、なんでこのような傾向が出たかは現時点では不明とのこと。一応の推測としては、
内向的な人ほどより制限された食事習慣を持つ傾向が多いからかもしれないし、彼らの食習慣が社会的に切り離されているからなのかもしれない。
みたいに述べられておりました。内向的な人は他人との外食が少なくなるから、そのぶんだけ肉の消費も少なくなるのではないか?みたいな考え方ですね。まぁイマイチ弱い推測な気がしますが、なんかおもしろいですな。
コーヒー好きは実はカフェインに中毒してるだけ?
「カフェインって中毒性があるんじゃない?」ってのは長らく議論になっているポイント。カフェイン好きがしばらくコーヒーを断つと、頭痛やダルさを味わうケースはよく聞きますけど、果たしてどこまでの依存性があるかはイマイチわかってないんですよね。
ってことで新しく出たデータ(R)は、「やっぱカフェインって中毒性あるでしょ!」みたいな話になっておりました。
どんな研究だったかと言いますと、
- 56人のドイツ人学生を集める。その際、約半数が1日に3杯以上のコーヒーを飲む人で、残りはコーヒーをほとんど飲まない人になるように調整
- 参加者が無意識のうちに、コーヒーを嫌っていないかをテストで判断
- 離脱症状や頭痛など、コーヒー断ちにともなう症状をチェックする
「無意識のうちにコーヒーを嫌っていないか」なんてどうやって判断するんだ?って話ですが、以前に「睡眠学習で人種や性別に対する偏見が減らせるらしい」で紹介したIATテストを使ってます。詳しいことを知りたい方はこちらをご参照ください。
で、その結果がどうだったかと言うと、
- コーヒーのヘビードリンカーほど、コーヒーを強く飲みたいという欲求を持っていた
- が、実はコーヒーのヘビードリンカーは、無意識の中ではコーヒーへの好感度が低かった
だったんだそうな。つまり、本当はコーヒーが嫌いなのに、表面上はコーヒーを欲してたまらなくなってるわけで、そこにはカフェインへの依存があるのでないか?ってことですね。
もちろん、このデータだけだとカフェインの依存性については何も断言できないんだけど、実はコーヒー好きには思ったより複雑なメンタリティがあるのかもっすねー。