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活動量計を使うと1日の運動量はどれぐらい増えるのか?のメタ分析

 
 

わたくし、日々の活動量をApple Watchで計測してまして、それなりにモチベーションアップの効果を感じてるわけです。「おっ、今日の運動は400kcalを超えたぞ!」といった情報がわかると、やっぱやる気が出ますからね。

 

 

では、「このような活動量の計測ガジェットってのは、実際どれぐらい役に立つのだろうか?」ってことで、そのへんの疑問をガッツリ調べたメタ分析(R)が出ておりました。具体的にどんな調査なのかと言いますと、

 

  1. モバイルアプリや活動量計を使った過去の研究を調べる(万歩計は除外)

  2. 18~65歳の健康な男女を対象にした、無作為化比較試験を35件ピックアップ(そのうち28件でメタ分析を実施)

 

みたいな手順で、モバイルアプリや活動量計で「どこまで運動量は増えるのか?」を調べてくれております。もうちょい詳しいデータの内訳も書いておくと、

 

  • 研究期間の平均は13週間(2~40週間)

  • 研究の参加者は合計で7454人(28%が女性)

  • ほとんどの研究の参加者数は50人未満

  • 全体のバイアスのリスクは低いか中程度だが、出版バイアスの可能性があった(要するに、活動量計に有利な方向に数値が振れやすい)

 

みたいになってます。一部に懸念はありつつも、全体としてはわりと精度が高い感じじゃないでしょうか。

 

 

で、以下に結果のまとめです。

 

  • 活動量計を使うと、なにも使わない人たちよりも運動量が増える。その効果は、1日あたりだいたい1850歩の増加に等しい

 

  • 27のサブグループ解析では、6つの研究が有意だった。運動量アップに効果がありそうな手法としては、

    1. 目標設定と細かい計画の立案
    2. 運動の難易度を少しずつ上げる
    3. セルフモニタリング
    4. テキストメッセージで定期的にリマインダーを送る

    などが含まれていた

 

といった感じでして、「1日あたり1850歩の増量」ってのをどう捉えるかは難しいものの、一般的には小〜中程度の効果ってとこです。「活動量計はマスト!」と言えるレベルじゃないけど、サポートして使うにはいいんじゃない?ぐらいの感じですな。

 

 

ちなみに、2009年には万歩計を対象にしたメタ分析(R)も行われてまして、こちらでは、

 

  • 万歩計は1日あたり約2000歩の増加につながる!

 

って結果になってたりします。だいたい似たような数字が出てますね。まぁ「1日1万歩を目指したい!」みたいな方には、意味のある数字かもしれません。

 

 

ただ、今回のデータを見て思ったのは、「途中で計測をやめちゃう人が多い!」ってとこですね。というのも、活動量計を使った人の3分の1が最初の6ヶ月でデバイスを使わなくなってまして、「ガジェットだけだとそこまでモチベーションアップにつながらないのかなぁ……」って感じですな。

 

 

考えてみれば、私も「スマホのアプリとかApple Watchって常に見ることができないから、意外とモチベーションは上がらないよな……」と思ったことがありました。スマホの記録っていちいちアプリを起動しないと確認できないんで、そこまで数字をチェックしないんですよね。そう考えると、結局「なんだかんだで壁掛けカレンダーに記録を書き込むのが最強では?」って結論になっちゃいますかねぇ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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