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最高の体調を手に入れるための【発酵食品】の摂取量とは?

 


ご存じのとおり、「最高の体調」では、腸内環境の改善を柱のひとつにしてまして、そのために発酵食品が大事だという点を強調しております。

 

 

が、まだよくわかっていなかったのが「健康な人でも発行食品の効果は得られるのか?」という問題です。実は過去のデータでは、すでにある程度まで健康な人にはキムチや納豆のメリットがないという報告もあったんですよ。難しいところですねぇ。

 

 

が、近ごろ「Cell」という一流誌に掲載されたデータ(R)では、

 

  • すでに健康な人でも、発酵食品によって炎症レベルが下がる!

 

との結論になっていて、かなり心強いものがありました。

 

 

これは36人の参加者を2つのグループに分けた実験で、一方のグループには食物繊維を多く含む食事を、もう一方のグループには発酵食品を多く含んだ食事をするように指示。その生活を4週間ほど続けてもらい、食事を変える前と変えた後で、どのような変化が起きるのかを調べています。

 

 

その結果、発酵食品を増やしたグループにだけ、以下の違いが現れました。

 

  • 腸内細菌のバリエーションが激しく増加した

  • 炎症に関連する19種類のタンパク質の血中濃度が低下した

  • 血中の4種類の免疫細胞の活動が低下し、暴走しづらくなった

 

ここで減少した炎症性タンパク質のひとつが「IL-6」と呼ばれるもので、糖尿病、関節リウマチ、慢性ストレスなどの病気に関わるサイトカインのひとつ。新型コロナにかかった人が一気に体調を崩すのも、このIL-6が暴走を起こすからだと考えられております。

 

 

新型コロナとまで言わずとも、IL-6が体内に増えれば増えるほど「なんだか調子が悪いなー」という謎の不調に襲われるとも言われてまして、4週間で健康な人のIL-6が減ったというのは、かなりすばらしいことなんですね。

 

 

実際、研究チームもこんなコメントをしています。

 

発酵食品を摂取したすべての参加者に免疫状態の改善が見られたことは、まさに驚くべきことだ。これは誰もが予想していたよりも良い結果と言える。

 

まさに大絶賛ですね。一方で、食物繊維を増やした人たちには、腸内細菌の多様性は変わらなかったそうで、こちらも少し意外な結果ですね。いちおう食物繊維の分解を助ける腸内細菌は増えたみたいですが、食物繊維のメリットを得るためにはもう少し時間が必要なのかもしれません。

 

 

さて、こうなると「どんな発酵食品がいいの? 免疫を改善してくれるのはどんな食品?」ってのが気になりますけど、この実験で使われた食事法のポイントは以下のようになります、

 

  • 1日1食未満だった発酵食品の摂取量を1日6食程度まで増やす(例えば、キムチだったら40gぐらい、ヨーグルトなら100gぐらいが1食分にあたる)

  • 基本的には、ヨーグルト、キムチ、発酵野菜、ケフィア、コンブチャなど、自分の好きな発酵食品を食べればOK

  • 発酵食品の摂取量を上げるために最も人気だったのは「ブライン」だった

 

とにかくどんな発酵食品でも意味はあるので、1日6食分を目指せばいいわけっすね。1日6食分ってのはそこそこ多めなレベルでして、正直わたしもそこまでは食べてなかったなぁ……。

 

 

ちなみに、「ブライン」を初めて聞いた人も多いでしょうが、簡単にいえば「ザワークラウトの瓶の底に残った水分」のことです。一見すると普通の塩水みたいですけど、実は複数の細菌をふくんだ健康ドリンクとして使えたりするんですよ。ザワークラウトを摂取した際は、ブラインもお試しください。

 

 

まぁ腸内環境の改善については、ひとつの食品を食べ続けるよりも複数の発酵食を混ぜたほうが良いと思われるので、納豆、キムチ、ザワークラウトなどなど、バラエティに富んだ食材を取り入れて1日6食分を目指していただければ幸いです。ではまた!

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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