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今週半ばの小ネタ:繊細さんってどんな性格? 孤独感で病みやすい人の特徴は? 恋人のことを考えるだけでストレスに強くなる


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

   

 

 

繊細さんって、どんな性格の人たちなの?のメタ分析

俗に「繊細さん」と呼ばれるのがHSP。外的な刺激に反応しやすい特性を持つ人の総称で、この特性が強い人は、感受性が強いおかげでアートを深く味わえる一方で、不安や抑うつに悩みやすかったりもします。

 

 

で、新しいメタ分析(R)では、「HSPの人はどんなパーソナリティを持ってるの?」ってところを深堀りしていておもしろかったです。HSPの人はどんな性格の持ち主なのかってことですな。

 

 

具体的には、HSPとビッグファイブの関係を調べた過去の研究から24件をピックアップ。6,790人のデータをまとめて、大きな結論をだしてくれてます。

 

 

その分析結果がどうだったかと言いますと、

 

  • HSPな人たちは……

    • 神経症傾向が高め(不安になりやすい)

    • 開放性も高め(ただし神経症傾向に比べると相関はかなり小さめ)

    • 16歳以下の場合は、外向性も低め(これも神経症傾向に比べると相関はかなり小さめ)

 

みたいになってます。つまり、HSPが高い人ってのは、不安になりやすくて好奇心がちょっと強めってことですね。すぐにいろんなことに同様しつつ、ちょっと知的なところがあるので、自分の感情の変化に気づくのがうまいのかなーって感じでしょうか。

 

 

まー、こうして見ると、私のビッグファイブ傾向にもビシッと当てはまってる感じでして、「そりゃそうでしょうねぇ……」って気分になりました。

 

 

 

孤独感で病みやすい人が持つ2つの特徴

孤独感に病みやすい人の特徴とは?を調べたデータ(R)が出ておりました。孤独が体に悪いって話は昔からありますが、この感情に悩む人には、どのような傾向があるのかをチェックしたわけですね。

 

ちなみに、ここでいう孤独感の定義ってのは、

 

  • 社会に属していないと感じたり、自分の人間関係が何らかの形で(質・量ともに)満足できない、不足していると感じたりする主観的な辛い体験。

 

ぐらいの意味になります。社会から孤立してたり、いまの人間関係にフラストレーションを抱いていたりする人は、孤独感に悩まされているんだとお考えください。

 

 

これは875名の男女を対象にした試験で、みんなの孤独感をチェックしたうえで、さらには全員の社会関係、精神病歴、感情のコントロール法などを調べたところ、以下のような結果が出たそうな。

 

  • 孤独感に苦しむ人は、嫌なことが頭に浮かぶと、ひたすらそのことについて考えがち(いわゆる反すう思考)。
  • 孤独感に苦しむ人は、ソーシャルサポートのレベルが低い。
  • 上記の2つを合わせると、孤独感の36%を説明できる。

 

ってことで、孤独感で病みやすい人は、感情コントロールが下手だし、社会的アイデンティティが欠如していることが多いんだ、と。まー、わりと常識的な結論ではないでしょうか。

 

 

そう考えると、いま孤独感にお悩みの方は「ネガティブ思考がわきあがって止まらない!をとりあえずしのぐ3つの技法」などを使って感情をコントロールしつつ、「私は友達がいないのですが、どうすればいいでしょうか?」あたりを参考にソーシャルサポートを増やしていくのがよさそうですねー。

 

 

 

恋人のことを考えるだけでストレスに強くなる

恋人のことを考えるとストレスが低下する!みたいなデータ(R)が出ておりました。

 

 

これはアリゾナ大学などの調査で、102人の参加者を集めて、3℃の冷水に片足をつけるように指示。みんなにストレスを与えたうえで、その際に、

 

  1. 自分の恋人が静かにそばにいる状態で冷水に片足をつける

  2. 恋愛相手のことを想像しながら冷水に片足をつける

  3. 自分の一日のことを考えながら冷水に片足をつける

 

ってグループにわけたんだそうな。すると、恋愛相手とストレスには明確な関係が出まして、結果は以下のようになりました。

 

  • パートナーがそばにいた人、またはパートナーについて考えた人は、1日のことを考えるよう指示されたグループよりも、冷水のストレスに対する血圧反応が低かった。

 

  • パートナーが物理的にそばにいた場合と、パートナーについて考えた場合は、どちらも同じぐらい血圧反応が低かった。

 

ということで、恋愛相手をイメージするだけでも、ストレスに対する身体の生理的反応をやわらげられるのではないか、と。

 

 

研究チームいわく、

 

過去の研究では、質の高い恋愛関係にある人は健康レベルが高いことがわかっている。今回の研究は、その理由の一端を説明するのに役立つかもしれない。

 

人生はストレスに満ちているが、このストレスを管理する重要な方法の1つは、パートナーと直に関わるか、またはその人のイメージを呼び起こすだけでもよい。

 

とのこと。これはなかなか手軽なストレス解消法でよろしいのではないでしょうか(現時点で良い恋人がいる人に限定されますが)。

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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