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最強筋トレサプリ「クレアチン」で脳の機能がアップするぞ!というメタ分析

 


このブログでは長らく「クレアチン」ってサプリを筋トレ用に推奨してまして、パレオな男チャンネルでも具体的なおすすめを定期的にまとめているわけです。クレアチンってのは、間違いなく最も効果的な合法パフォーマンスサプリメントなもんですから。

 

 

というのも、人間の筋肉は、クレアチンを使ってATPという細胞の機能に不可欠なエネルギー源を作ることができるんですよね。そのおかげで、クレアチンを摂取しておくと、筋肉細胞はよりエネルギーを作り出すことができ、走ったりジャンプしたりといった身体機能を高められるわけです。

 

 

ただ、1992年のデータ(R)では、「実はクレアチンは人間の脳にも存在しているよ!」ってのがあきらかになりまして、クレアチンのサプリを飲むと、脳のクレアチンレベルが上昇したというんですよ。つまり、一部のクレアチンは脳のバリア(血液脳関門)を通過できるわけっすね。これはすばらしい……。

 

 

当然ながら、人間の脳ってのは、筋肉と同じようにエネルギーを使う器官なので、脳がクレアチンを補助的なエネルギー源として利用するのは自然な話。それどころか、研究によると、脳は自らクレアチンを合成することさえあるらしいんですな。

 

 

で、こうなると「クレアチンって脳機能も改善できるんじゃないの?」って疑問が生まれるわけですが、新しいメタ分析(R)では、そのあたりががっつり調べられてくれてました。

 

 

この研究は、イギリス、アメリカ、カナダの研究チームが行ったもので、過去のクレアチン研究から、10件のランダム化比較試験(RCT)をピックアップしたもの。そのうち8件は若年成人を対象に、2件は高齢者を対象にしております。参加者は225名(男性74名、女性151名、クレアチン群122名、プラセボ群118名)っすね。

 

 

でもって、その結果をざっくりまとめると、こんな感じになりました。

 

  • クレアチンのサプリを飲むと、プラセボよりも記憶力が改善された

 

  • 高齢者(66~76歳)は、若年者(11~31歳)と比較してより強い効果を得られる

 

  • クレアチンの量(1日2.2~20g)、実験の期間(5日~24週間)、性別では、クレアチンの効果には特に違いがないっぽい

 

ということで、もともと脳のクレアチン量が少ない高齢者だけでなく、30前の若者でもクレアチンで脳機能がアップするかもしれないらしい。これはなかなかすごいもんですな。

 

 

研究チームいわく、

 

これらのデータは、クレアチンの補給が身体能力の向上に留まらず、加齢による健康や認知機能をサポートする重要な栄養素となりうるという主張を裏づける。

 

とのこと。まぁ、この研究はメタ分析としては小規模だし、記憶能力のアウトカムにおける均質性がバラバラだったり、脳内クレアチンレベルの評価にも限界があるので、「もしかしたら今後の研究ではもう少し効果量が減るのかなー」とか思いますが、やはりサプリを飲んでおいて損はなさそうであります。

 

 

ちなみに、クレアチンと脳の関係を調べた調査はほかにもありまして、

 

  • 慢性的なストレスを経験している人や、食事によるクレアチンの摂取量が少ない人(例えば、ビーガンやベジタリアン)は、サプリメントを摂取することで、メンタルが改善する可能性がいくつか示されている(R)。

 

  • 不安、PTSD、うつ病の症状は、脳内の代謝機能障害やエネルギーレベルの低下と関連しているため、クレアチンのサプリが有益である可能性も示されている(R)。集団研究でも、クレアチンレベルが低い人ほど抑うつ症状が高いことが確実に示されており、まだ初期の試験ながら、クレアチンを飲むことで抑うつが軽度から中等度のレベルで改善する可能性が示されている。

 

みたいになります。当たり前ですけど、脳の不調はメンタルの不調を引き起こすわけで、それゆえにサプリで心の問題が改善するかもしれないわけっすね。

 

 

ちなみに、現時点では、脳の機能をアップさせるためのクレアチンのベストな飲み方はわからんのですが、

 

  • 脳とクレアチンの関係を調べた試験は、たいて1日5gのクレアチンを使っている。

 

  • 次に多いのが、最初の1~2週間は1日10~20gのクレアチンを飲み、その後で1日5gを続けるというやり方である。

 

って感じなので、困ったら「1日5gを飲む!」と考えておけばいいんじゃないでしょうか。どうぞよしなに。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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