まわりくどく相手を攻撃する「受動的攻撃レベル」の高さをチェックする21問
その昔、「受動的攻撃」について書いたことがありました。これは、相手を直に批判したり、ストレートに敵意をあらわにするのではなく、
- ただ相手の言葉を無視する。
- 「悪気はないんだけど……」と言った後に、相手が嫌がることを言う。
- 相手の悩みに「それほど深刻ではない」「それほど大変なことではない」と言う。
- 相手が話しかけてきても「へー」や「うん、何でもいい」といった短い返事しかしない。
- 「君が作った書類は意外によいできだった」と皮肉交じりでほめる。
- 他人の指示を忘れたふりをする。
といった感じで、まわりくどい方法で相手を批判するやり方を意味します。直に攻撃することができないので、自分のネガティブな感情を間接的に表現するわけですな。
当然、このようなコミュニケーションをする人が好かれるはずもなく、受動的攻撃が多い人ほどメンタルを病みやすいと言われてるんですよ。対人関係をスムーズに進めるためには、自分の受動的攻撃レベルと、付き合う相手の受動的攻撃レベルの療法を知っておくのが得策でしょう。
ってことで、このたび韓国・三育大学の先生方が、「受動的攻撃」のチェックリストを作ってくださいまして、これがなかなかためになります(R)。受動的攻撃を測定するための標準化されたツールはこれまでなかったので、ありがたいことですねぇ。
このチェックリストをを作るために、研究チームは、いろんな専門家(心理学、人間行動学、カウンセリング系の人々)を募り、受動的攻撃性に関する質問に答えてくれるように依頼。これらの回答から、受動的攻撃のさまざまなパターンをまとめ、学生の参加者たちを対象に妥当性を確かめたんだそうな。
では、さっそくチェックリストを使ってみましょう。このチェックリストを使う際は、自分の受動的攻撃レベルを調べるだけでなく、他人の受動的攻撃レベルを把握するために使ってもOK。自分、または特定の人のことを考えつつ、以下の文章にどれだけ当てはまるかを考えてください。
採点は6点満点で、以下の通りになります。
- 1=まったく当てはまらない
- 2=まったく当てはまらない
- 3=あまり当てはまらない
- 4=少し当てはまる
- 5=かなり当てはまる
- 6=非常に当てはまる
批判を誘発する構成要素
- 嫌いな人や不快に思う人の話をするときは、その人の長所を褒めるふりをしながら、短所もほのめかす。
- 嫌いな人や不快に思う人のミスを、その人の評判を落とすために、より上の権力者に告げ口する。
- 恥ずかしい出来事や、嫌いな人、不快に思う人の暗い過去を、わざと人前で暴露する。
- 嫌いな相手や不快に思う相手に、人前で答えられないような質問をして不快にさせる。
- 嫌いな相手や不快に思う相手には、皮肉を言ったり、冗談のふりをしたりして馬鹿にする。
- 嫌いな人、不快な人について言いたいことがあるときは、その人が見えるところで他の人に話す。
- 嫌いな相手や不快な相手に辛い思いをさせるために、自分が被害者のふりをする。
回避/無視の構成要素
- 嫌いな人や不快に思う人とは、わざと目を合わせないようにする。
- 私は嫌いな人や不快に感じる人に会うと、意図的にその人から離れようとする。
- 嫌いな相手や不快に思う相手とは、相手が私と連絡を取りたい、私の様子を知りたいと思っているとわかっていても、関係を断つ。
- 嫌いな人や不快に思う人が電話で連絡してこようとしても、わざと無視することにしている。
- 嫌いな相手や不快に思う相手には、無言で接する。
- ソーシャルメディア上で嫌いな人や不快に思う人に質問されたときは、そもそもその質問を見なかったことにする。
- 嫌いな相手や不快に思う相手に対しては、冷たく見下した態度をとる。
妨害の構成要素
- 嫌いな相手や不快に思う相手が望むことをわざと遅延させて、辛い思いをさせる。
- 嫌いな人や不快に思う人を助けるふりをして、陰でその人の仕事を妨害する。
- 嫌いな人や不快に思う人と一緒に仕事をするときは、わざと自分の分担を果たさず、相手にペナルティを与える。
- 嫌いな相手や不快に思う相手には、自分が思ったように行動しない言い訳をするか、「忘れてた」などと言う。
- 嫌いな人や不快に思う人に何かを頼まれると、わざと先延ばしにしてしまう。
- 嫌いな人や不快に思う人に頼まれると、全力を尽くさず、ずさんな仕事をする。
- 嫌いな人や不快に思う人に何かを頼まれると、きちんとやらずに「重要なことだとは知らなかった」などと言い訳をする。
そんなわけで、どの文章を読んでみても、「うーん、なんて嫌な態度なんだ……」って感じですが、このような態度は、自分に自信がない場面や、不安に襲われているような場面では、誰もがついやってしまうものだとも思うわけです。
なので、上記の尺度は、自分が受動的攻撃をしていないかどうかを調べるためのチェックリストとして使ってみると良いんじゃないかと思った次第です。また、以上のような行動がよく見られる相手とは距離を取るか、付き合い方を考え直すしかないでしょうねー。