薄毛の研究者「育毛に効くサプリの組合わせを考えたぞ!」
本当に薄毛に効くアイテムは数少ないのが現状。いまのところは「ミノキシジル」を使うか「プロペシア」を飲むかの二択しかなく、過去のエントリでも、
といった内容を取り上げてきたわけです。端的に言えば、現時点で薄毛に効くサプリやシャンプーなどはないので、医薬品に頼るのがベストって結論であります。
ただ、それでも「もっとやれることはないのか……」と思ってしまうのも人情でして、研究の世界でも、定期的に薄毛に効くサプリの調査が行われているわけです。新しいデータ(R)もそのひとつで、まず結論から言いますと、
- いろんな成分を混ぜ合わせたミックスサプリで髪が生えた!
って感じになります。どんな成分を混ぜたかは後述するとして、実験の概要をまとめておくと、以下のようになります。
- 男性型脱毛症または女性男性型脱毛症、ストレス後の脱毛に悩む男女83人を集める(平均41歳)。
- 全体を2つのグループに分け、半分にはサプリメントを1日1錠と、治験者が処方した薄毛治療薬を服用してもらう。
- 残りの半分には、処方された薄毛治療薬のみ服用してもらう。
- 12週後に、みんなの頭部の写真を用いて毛髪の成長を測定する。
研究チームが処方したオリジナルサプリを使って、薄毛がどこまで改善するのかをチェックしたわけっすね。
でもって、結果は以下のようになりました。
- オリジナルサプリを使ったグループは、6週後に薄毛スコアが上昇。12週後には、どちらのグループとも薄毛スコアの上昇が見られたが、その増加レベルは、オリジナルミックスサプリを使ったグループのほうが有意に高かった。
ってことで、どちらも薄毛治療薬のおかげで発毛が見られたんだけど、その改善度はオリジナルサプリグループのほうが良かったらしい。こりゃあ気になる結果ですね。
それでは、研究チームが開発したオリジナルミックスサプリの中身を見てみましょうー。
そんなわけで、これらの成分をまとめて飲めば、薄毛の問題に効く可能性があるんだ、と。うーん、全体的には、髪を作るのに必要な成分をまとめた印象でしょうか。
まぁ、残念ながら、この研究にはいくつかの欠陥がありまして、
- 参加者が実践した治療法はさまざまで、24%の治療法は「その他」とだけ書いてあって、何が何だかよくわからん。
- 2つのグループにおける治療法の分布も明らかにされていないので、サプリの効果を切り分けるのがムズすぎる。
- サプリメントの成分の正確な用量も報告されていない(加水分解コラーゲンを除く)。
- 論文著者のうち2人が、この研究で使わたサプリメントを製造している会社の社員である。
といったあたりは、かなりデータの信頼性を落としていると言えましょう。これを見るだけだと、オリジナルミックスサプリのおかげで髪が生えたのか、それとも他の要因が働いているのかをチェックする方法がないんですよ。
そのため、個人的には、「自分でシステインやタウリンを混ぜ合わせて発毛サプリを作ろうぜ!」とは、とても言えない感じであります。ただし、ここで研究チームが採用した成分が発毛に大事なのも確かなので、
- 薄毛に悩んだら、とりあえず病院に行ってミノキシジルやフィナステリドを処方してもらう
- 処方薬をしばらく使って様子を見てみる
- そこから、さらにサプリを試してみたいなら、お医者さんに相談のうえで導入する
といった手順を踏んでくださいませ。あくまで薄毛治療の定番をちゃんと押さえつつ、淡い期待を抱きながらサプリを使うのが正解でしょう。
また、いつも言ってることですけど、基本的にサプリってのは、食事から特定の栄養素を満足に摂取できていない場合にしか効果を発揮しませんので、こちらもぜひ頭に置いといてくださいませ。おそらく、普通に健康的な食事ができている人だと、今回のサプリをいくら飲んでも無意味に終わっちゃうんじゃないかと。
ちなみに、発毛に関するその他のエントリとしては、
といったあたりは参考になるんじゃないでしょうか。どうぞよしなに。