睡眠を改善する最強の食べ物はキウイ、タルトチェリー、乳製品じゃないか説
「アスリートの睡眠を改善するための栄養はこれだ!」みたいな研究(R)が面白かったんで、内容をチェックしときましょう。アスリートだけでなく「なんだか最近眠りが浅い気がする……」みたいな悩みをお持ちの方には、広く参考になりそうな内容でしたんで。
この研究は、1970年から2024年末までに出た論文から12本を厳選し、「アスリートの食事と睡眠」の関連性を調べたスコーピングレビューになっております(広く文献を俯瞰して知見をまとめるタイプの論文)。
当然ながら、アスリートにとって睡眠は試合の成果を左右する大事な要素なんだけど、
- 早朝や夜遅くのトレーニング
- 遠征での慣れない環境
- 試合前の緊張やストレス
みたいな事情があって、なんなら一般人よりも睡眠の質が乱れがちだったりするんですよ。そこで、アスリートの世界では「食事やサプリで睡眠の質を変えられるのか?」ってのが長年にわたって検証されてきたんですね。
ということで、このレビューでは、まず大きく3つの食べ物を「これは睡眠に効きそう!」と判定しております。
睡眠に効く食品1. キウイフルーツ
「キウイフルーツが睡眠に効く」ってのは、過去にこのブログでも取り上げたことがありますが、近年はかなり有望な“睡眠サポート食材”として脚光を浴びつつあったりします。
というのも、キウイには「セロトニン(リラックス系の神経伝達物質)」や「ビタミンC」「抗酸化成分」などがたっぷり入っていて、特にセロトニンは体内でメラトニンって睡眠ホルモンに変わるので、自然な眠気を促してくれるんだそうな。
研究では、就寝1時間前にキウイフルーツを2個食べたアスリートは、
- 総睡眠時間が増えた
- 睡眠効率(ベッドに入ってから実際に眠っていた割合)が上がった
- 夜中に目が覚める回数や覚醒している時間が減った
- 翌朝の「だるさ」も軽減した
って効果が確認されたとのこと。「寝る前にフルーツを食べたら太るのでは?」と思われるかもしれませんが、キウイ2個で約100kcalぐらいで糖質もほどほどなんで、そんな悪いことはないんじゃないかと。
睡眠に効く食品2. タルトチェリージュース
こちらも当ブログでは頻出の食品ですね。「タルトチェリージュース」は、特に近年のアメリカなどで「ナイトタイム・ジュース」として大ブームになったことがあったりします。
こいつが睡眠に効くのは当然で、そもそもタルトチェリー(サワーチェリー)には睡眠ホルモンのメラトニンが含まれているんですよ。加えて、アントシアニンや抗酸化物質も豊富なので、これらが「体内時計」を整えてくれたり、体内の炎症を抑えてくれたりして、睡眠の質を高めてくれると考えられるんですね。
実験では、1回30mLの濃縮タルトチェリージュースを、朝・晩の2回、合計48時間で5回飲んだ参加者は、
- 寝つくまでの時間が短くなった(入眠潜時の短縮)
- 夜中に目が覚めている時間も短くなった
- 寝ている間の体の動きが減り、深く眠れた
みたいな変化があったらしい。日本だとやや入手しづらい食品なんだけど、最近は輸入食品店やネットショップでも見かけますね。
睡眠に効く3. 牛乳・乳製品
最後は「牛乳・乳製品」。これは特に女性アスリートで「睡眠の質が悪くなるリスクを下げる」というデータが出ているらしい。
乳製品にはトリプトファン(睡眠ホルモンの材料)がたっぷり含まれているし、さらに神経の安定やリラックスに役立つカルシウムやマグネシウムも豊富。女性アスリートはホルモンバランスの乱れや鉄・カルシウム不足で睡眠の乱れが起きるケースが多いので、この問題を乳製品が補ってくれるかもしれないわけですね。
実際のところ、牛乳やヨーグルトなど乳製品を週5~7回(ほぼ毎日)食事に取り入れた参加者は、睡眠の質が良くなる傾向があったそうなんで、特に女性は取り入れてみる価値があるかもっすね。牛乳が苦手な方は、ヨーグルトやチーズをどうぞ。
さて、睡眠に効く3大食品は以上ですが、このレビューでは、「キウイ」「タルトチェリー」「乳製品」ほどのインパクトはないものの、「睡眠の質を底上げしてくれるかも?」ぐらいの手法もチェックしてくれております。こちらも合わせて押さえておきましょう。
睡眠底上げ戦略1. タンパク質とトリプトファンの摂取
まずはおなじみタンパク質と、その中に含まれるトリプトファンから。上述のとおり、トリプトファンは体内で睡眠ホルモンの材料になるんですね。
そのため、過去の研究では、
- 夜にタンパク質を多め(体重1kgあたり1.6g/日ほど)摂取しているアスリートは、入眠までの時間が短く、睡眠の質も良い傾向がある
- 特にトリプトファンを1日約1,350mg摂る人ほど睡眠が良好な傾向がある
みたいな報告が出ていて、なかなか気になるところです。ただし、すでに「かなりの高タンパク食(1日に体重1kgあたり2.5g以上)」を摂っている場合は、さらに増やしても睡眠を改善する効果は限定的なようなんで注意しましょう。
睡眠底上げ戦略2. α-ラクトアルブミン
α-ラクトアルブミンは乳タンパクの一種で、トリプトファン含有量が多いのが特徴。そのため、寝る前にα-ラクトアルブミンを摂取すると、寝つきが良くなる(入眠潜時が短縮)可能性があるんだそうな。「乳製品が苦手じゃない方」や「プロテインを夜に飲みたい方」は、α-ラクトアルブミン入りをチョイスするのもアリかもですな。
睡眠底上げ戦略3. プロバイオティクス(善玉菌サプリ)
ここ数年で研究例が増えてきたのが、腸内環境と睡眠の関係についてであります。ざっくり言えば、17週間のプロバイオティクス摂取で、参加者の炎症マーカー(CRP)が低下し、そのおかげで回復や睡眠の質が向上した可能性があるらしい。「試合やハードな練習で筋肉が重だるい…」みたいな方は、腸活で睡眠の質が上がるかも……って感じですね。
睡眠底上げ戦略4. 亜鉛、鉄、ビタミンB12
これらは神経やホルモンバランスを整える必須ミネラル&ビタミンで、
- 不足すると睡眠の質が悪くなる傾向がある
逆に、適切な量を摂取している女性アスリートは睡眠の質が高い
って傾向があるらしい。とくに鉄やビタミンB12は女性アスリートが不足しやすいので、普段の食事で意識して摂るか、必要に応じてサプリで補うのも手でしょうな。
睡眠底上げ戦略5. 総摂取エネルギー量
「エネルギー不足は睡眠の大敵!」ってことで、過去の研究を見ていると、
- 消費エネルギーに見合った十分な摂取がないと、睡眠が浅くなりやすくなる
- 十分にエネルギー補給をしているアスリートほど、総睡眠時間が長くなる傾向がある
といった傾向が認められてるんだそうな。減量期みたいに「食事量を絞っている時」に寝つきが悪くなっちゃう人は、たしかに多いですもんね。
ってことで、以上のポイントについては、どれも「劇的に効く!」とは言いきれないものの、「睡眠が気になるけど薬に頼りたくない…」という方は試す価値があるでしょう。
もちろん、いきなり全て取り入れる必要はないので、まずは「夜キウイ」ぐらいから始めてみて、効果を実感できたらタルトチェリーも取り入れるぐらいの感じでいいんじゃないでしょうか。お試しあれー。


