パナソニックの「目もとエステ」で肌に明るさとツヤは出るのか?問題
こないだ「顔のシワにはビタミンAとビタミンCしかない!」って話を書いたところ、「パナソニックの目もとエステはどうなんですか?」とのご質問をいただきました。「目もとエステ」はゴーグル型の美容家電で、目のまわりに温かいスチームを当てて肌に明るさとハリを出すんだそうな。いろいろありますねぇ。
保湿をしないと8年でシワが50%も増える
確かに、美肌を保つには保湿が大事なのは間違いない話であります。2015年の研究(1)でも、122名の女性を8年にわたって調べたら、
- 28才の時点で保湿をしなかった女性は、36才の段階でシワが52%も増える
- 28才の時点で保湿をマメにしてた女性は、36才の段階でシワの増加が22%に抑えられる
という結果が出ております。
保湿の要点は「水→油」のコンボだけ
それでは、まず「そもそも保湿クリームに効果があるのはなぜ?」について考えてみましょう。保湿のメカニズムは実に簡単で、
- 肌を水分で湿らせる
- その上から油でフタをする
- 逃げられなくなった水分が細胞に入る
といった流れになっております(2)。要は水分を油でカバーするのが一番のポイントでして、この点ではワセリンだろうが高級化粧品だろうが効果は同じ。多くの商品はビタミンや抗酸化物質を配合して差別化をはかってますが、いまのところビタミンAとC系のクリームぐらいしか明確な証拠がないのが現状です。
蒸しタオルにワセリンでも効果は同じ
そんなわけで「目もとエステ」を使った場合は、ちゃんと直後にオイルを塗れば効果は出るはず。ただし、あくまで大事なのは「水→油」のコンボなんで、別に蒸しタオルを当てたあとにワセリンを塗っても同じでしょうね。
というと、「目もとは集中的に水分を当てたほうがいいんじゃないの?」といった疑問がわくかもしれません。確かに目のまわりにはシワができやすく、ほかの部分よりもケアが必要なエリアではあります。
ただし、2015年7月に出た論文(3)によれば、目もとのシワは水分不足よりも油不足が原因とのこと。もともと目のまわりには皮脂を出す腺が少なく、水分が乾いてしまいがちなんですね。つまり、「目もとエステ」で水分を補給するよりは、洗顔後すぐに油でフタをしてやるほうが大事。
まぁ「目もとエステ」には他にもマッサージ機能がついているようなので、リラクゼーション用として使うぶんにはありでしょう。肌の明るさやハリの効果には期待せず、ストレス解消グッズとして買うならいいかもしれません。わたしはシャワー後の保湿で十分だと思いますけども。