自分の腸内フローラって正常に働いてるの?を見分けるための4つの症状
健康な腸にはプロバイオティクスは無意味!というデータが出まして、あらためて「自分の腸内フローラって正常なの?」を見分けるのが大事なことがわかった今日このごろ。
下痢や便秘、腹部の膨満感なんかが続いているなら判断は簡単ですが、なにせお通じが良くても腸内環境は悪化してるケースもあるのが難しいところです。かといってわざわざ専門家のチェックを受けるのも大変なんで(というかちゃんと調べられる機関も少ないし)、ここでは自分の今のコンディションをもとに、腸内フローラの状態を推測する方法を探ってみます。
兆候1.砂糖や加工食品への欲望が止まらない
当然ながら、古代の環境にお菓子は存在しておらず、たまにハチミツを食べるぐらいがごちそうだったわけです。
そのため、いまのように砂糖・脂肪・塩の量が多い加工食品には体が適応しておらず、必要以上に食欲が暴走してしまいがち。その欲望をコントロールする大事な要素が、腸内細菌だったりします。
ここ数年でも、「腸内細菌が食欲をコントロールしてるんじゃない?」って論文(1,2)がやたら増えてきまして、かなり熱いトピックのひとつ。どういった流れで食欲が暴走するかというと、
- 砂糖や加工食品を食べる
- 腸内に悪玉菌が増える
- 悪玉菌が体に炎症を起こす物質を放出!
- 脳が炎症を起こしてパニック!
- 加工食品への欲望がアップ!
みたいな流れです(3)。より細かくはレプチン抵抗性なども関係してるんですが、長くなるので割愛。興味のある方は「いくら食べても食欲がおさまらないのはなぜ?」をチェックしてみてください。
いずれにせよ、お菓子やジャンクフードが食べたくなるのは腸内フローラ異常の典型例なんで、気にしておくといいでしょう。
兆候2.食品過敏症
糖や脂肪、タンパク質をうまく消化できず、分解されなかった物質が体内で炎症をおこすのが「食品過敏症」であります。
これは思いのほかメジャーな症状でして、例えば全人口の70%が牛乳の糖を分解できないのは有名な話。つまり、自分の食生活に適した腸内細菌がいない限り、食品過敏症は起こり得るわけですね。
なかでも野菜にふくまれる多糖類なんかは、おもに腸内の微生物が分解してくれますんで、腸内フローラがボロボロだと症状もヒドいことになります。こうなると、せっかく食物繊維をとっても、メリットが得られなくなってしまうことに! さらにくわしくは「壊れた腸を徹底的に癒やして健康になるための「FODMAP」食事法」などをどうぞ。
ちなみに、食品過敏症の判断はなかなか難しいですが、とりあえず当ブログでは「再導入法」をオススメしております。
兆候3.メンタルの悪化
メンタルが悪化している人は、脳に炎症が起きているケースが多め。火傷をした肌が赤くふくれるように、脳の組織にも似たようなダメージが起きてるわけであります。
もちろん、うつ病は認知の歪みや反すう思考でも発生しますんで、いちがいに「うつ病の原因は脳の炎症!」とは言えません。が、2010年代からの研究(4,5)を見てますと、やっぱ炎症がメンタル悪化の主要因なのは間違いなさそう。
ここで大事なのが、やっぱり腸内フローラであります。ご存じのとおり、ヒトの免疫系は70%が腸に存在してまして、かなりの部分を腸内細菌たちがコントロールしているんですね。まったく腸内細菌の働きぶりには頭がさがる思いです。
そのため、
- 腸内細菌がダメージを受ける
- 免疫システムに異常が発生!
- 全身に慢性炎症が起きる!
- 脳がやられる
- うつ病!
といった流れができあがっちゃうんですね。くわしいデータは「うつ病?と思ったら、腸内環境の悪化も疑ってみよう」に並べてますんで、興味のある方は合わせてご参照ください。
兆候4.ニキビ・肌荒れ
当ブログでは、よく肌トラブルと炎症の関係について書いております。が、実は肌トラブルと炎症の関係が明確になってきたのは最近の話でして、意外と皮膚科医のあいだでもまだコンセンサスが取れてないケースが多かったり。
ただし、ウェストン・プライス博士が狩猟採集民を調べたデータなんかを見ると、たいていの部族では肌トラブルが見当たらず、生涯にわたってニキビや肌荒れとは無縁で暮らしているんだとか。思春期には必ずニキビが発生する現代人とは偉い違いですね。
前述のとおり、炎症の最大の原因は腸内フローラの異常なので、腸内細菌がやられれば肌に異常が出るのは当然の話。さらにくわしくは、以下のエントリもご参照ください。