寝ても疲れが取れない!メンタルが弱すぎる!という人は「努力不耐症」かも
慢性疲労は怠け者の言い訳ではない
当ブログでは、よく慢性疲労の話をしております。
その名のとおり、よく休んでも激しい疲れと眠気に襲われる症状のことですが、実は、いまだ専門家のあいだでも「たんに心理的なものじゃない?」とか「体力がないだけじゃない?」といった意見も少なくなかったりします。なんせ原因がわからない謎の症状なんで、実在を疑う声も多いんですな。
が、ちょい前に米国医学研究所が「慢性疲労はガチ!ちゃんとした身体的な疾患だ!」とのレポート(1)を出しておりました。なんでも今のアメリカには250万人の慢性疲労患者がいるんだけど、症状を疑われて困ってるケースが多いらしい。
研究者いわく、
患者の症状を、メンタルが原因だと考えたり、仮病だと判断したり、単に怠け者なだけだと考えるのは、止めなければならない。
とのこと。あくまで慢性疲労は身体的な病気で、決して心の問題ではないんだ、と。
具体的な判断基準は、以下のような感じ。
- 対人関係や、仕事、学業に差し支えが出るレベルの疲労感が、6カ月以上にわたって続いている
- 少しでも体を動かしたり、精神的にツラいことがあったり、感情的な動きがあったりすると疲れきってしまう
- 長時間寝たにも関わらず、リフレッシュした感覚がない
- 定期的に物忘れをする。例えば、約束の時間を忘れたり、カギの置き場所を間違えたりとか
- 立った状態での作業に異常に弱く、横たわるまで疲労が回復しない
たんに体を動かしたときだけでなく、ちょっとメンタルに負荷がかかっただけでも疲れきってしまうらしい。確かに、はたから見たら打たれ弱い人に見えそうですな。
疲れやすいのは「努力」に体が過敏に反応するから
というわけで、慢性疲労だと正確な症状が伝わりにくいんで、研究チームは新たに「systemic exertion intolerance disease」って名前を提唱しております。これはまだ決まった訳がないんですけど、直訳すると「全身性活動不耐症疾患」って感じ。ざっくり意訳すると「努力不耐症」みたいなニュアンスですかね。
つまり、「アルコール不耐症」が少量のアルコールでも体に負担がかかる症状を指すように、「努力不耐症」は、少しの努力でも体に大きな負荷がかかっちゃう症状だと考えればよさそう。ほんのちょっと努力でも体が過敏に反応しちゃう状態とでも言いますか。
といっても、いまのところ「努力不耐症」の原因はよくわかっておらず、
などなど、さまざまなメカニズムが考えられております。心当たりがある方は、とりあえず端から対処していくしかなさそう。
いずれにせよ、「ちゃんと治療が必要な症状なんですよー」って認識が広まるのは大事。あまりに疲労が取れないようだったら、自分が「努力不耐症」じゃないかと疑ってみることをオススメします。