5分の妄想で「判断力」を激しくアップさせる心理トリック
https://yuchrszk.blogspot.com/2017/07/5.html
5分だけ「あること」を考えてみる
「判断力を高める5分の心理トリック!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはボストン大学の実験で、3〜5才の子供81人を対象にしたもの。まずは全員を以下の4グループにわけたんだそうな。
- 近過去の自分について考えてみる(その日の午前中に何をやったか、とか)
- 近未来の自分について考えてみる(明日の午前中は何をしてそうか、とか)
- 遠い未来の自分について考えてみる(大人になった自分はどんな仕事をしているか、とか)
- 今の自分について考えてみる(いまの自分はどんな感情を持っているか、とか)
考える時間はそれぞれ5分だけ。そのうえで、全員の決断力にどんな影響が出るか?をチェックしたんだそうな。
雪山に何を持っていくか?を判断させたら…
具体的には、
- 展望記憶テスト:「30分後にこの箱を開けてね」と指示をして、ちゃんと覚えていられるかどうかをチェック
- メンタルタイムトラベルテスト:「来週に森か雪山に旅行するとして、なにを持っていくべきか?」を答えてもらう
- 双極割引テスト:「いまクッキーをガマンすれば、明日には2枚あげるよ」と言ってガマンできるかを調べる。マシュマロテストみたいなもんですな
みたいな感じ。要するに「いろんな時間軸のなかで正しい判断ができるか?」ってとこを調べたわけですねー。
近未来(近過去)を考えると判断力があがる
で、どんな違いが出たかと言いますと、
- 近過去、または近未来について考えた子供は判断力があがった!
だったらしい。近い時間の自分について考えただけで記憶力があがり(展望記憶)、「旅行になにを持っていく?」って質問に対しても、より現実に役立つ解答をする割合が多くなったそうな(「旅行ガイド」とか「モバイルWi-Fi」とか)。
今の自分を拡張せよ!
研究者いわく、
この結果は、「拡張された自分」を体験することにより、将来の自分への判断能力があがることを示している。
とのこと。なにやら難しい表現ですけども、つまりは「結局『意志力が強い』ってどういうこと?」に掲載した図解に近い話です。 再掲すると以下のような感じ。
具体的に「いまクッキーをガマンすれば明日には2枚もらえる」って状況で考えてみると、
- どんなイメージでもいいので、近い未来を想像する(7時に起きてコーヒーを飲んでるとことか)
- 「未来の自分」のイメージがクリアになり、「今の自分」と心理的な距離がくっつく
- 「2枚のクッキーを手にした」自分にリアリティが生まれる
- 今のクッキーをガマンできる!
みたいな流れですね。「今の自分」と「未来(過去)の自分」が心理的にくっついた状態を、研究者は「拡張された自分」と呼んでるんですな。
まぁ難しい理屈はどうあれ、 何か難しい決断をせまられたときは、「明日の午前中は何をやっているか?」を5分だけ想像してみるとより良い判断ができそうであります。そう考えると、「寝る前に明日の作業を紙に書き出しておく」みたいなライフハックって、その意味でも妥当性があるんでしょうな。