仕事をつい先送りしちゃう!を引き起こす7つの感情要因と、その対策
https://yuchrszk.blogspot.com/2017/10/7_23.html
こないだ「仕事をついダラダラ先延ばししてしまう!の最大の原因がわかったかも?」なんて話を書きましたが、そこで参照されてた2000年論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはカールトン大学のティモシー・ピチル博士が手がけた研究で、「ヒトはなんで仕事を先送りにしちゃうのか?」の第一人者。過去に当ブログでも、同氏による「先延ばしの謎を解く」なんて本を紹介してますね。
どんな感情がもっとも先延ばしを起こしやすいのか?
で、この実験がどんなものかというと、「どんな感情が先延ばしの原因になるかを確かめてみよう!」って感じ。「先延ばしの謎を解く」にもあったとおり、ピチル博士はネガティブな感情が増すほどヒトは目の前の仕事を先送りしたくなるのだ!って説をとなえてるんで、ならば具体的にどんな感情がよくないのかを特定してみようじゃないか、ってのが研究の目標になっております。
具体的には161人の学生を対象にしてまして、
- 自由度のなさ
- 自分のメリットにならない
- 退屈
- 能力が足りない
- 他人との協調感がない
- 努力が必要すぎる
- 不安
- フラストレーション
- 楽しさの欠如
- 情熱の欠如
- 身体的な不安
- 喜びの欠如
- 怒り
- 社会的なサポートの欠如
- 技術が足りない
- 不確実性
といったネガティブな要素から、どれが本当に先延ばしを引き起こすのかを確認していったんですね。
先延ばしを引き起こす7大ネガティブ要素とは?
で、なにが先延ばしを引き起こす要素だったかと言いますと、
- 退屈
- フラストレーション
- タスクの難易度
- あいまいさ(何をすべきかがハッキリしていない)
- 非構造的(すべきことが体系化されていない)
- 内的報酬がない(やりがいがないとか、楽しくないとか)
- 無意味性(なんのためにやってるかがわからない)
の7つだったそうな。いやー、非常に納得のラインナップですな。
この研究が「使えるなー」と思うのは、なんだか仕事が手につかないときの原因チェックリストとして使えるとこですね。たとえば、
- 仕事が手に着かない!と気づく
- 目の前の仕事が「7つの原因」のどれに当てはまるかを考える
- 「タスクの難易度が高いのだ!」と気づく
- 仕事を細かく分解するなどして、タスクの難易度を下げる
みたいな流れで対策を立てやすくなるわけですな。なんかモヤモヤしながら先延ばしするよりは確実に建設的でありましょう。
7つの先延ばし要因への対策
ちなみに、各項目への具体的な対策としては、以下のような技法が参考になるかと思われますので、あわせてご参照ください。
1.退屈
- 「if-thenプランニング」や「WOOP」などでタスクに取りかかるきっかけを作る
- 「目先の喜びを見つける」手法で退屈を散らす
2.フラストレーション
- フラストレーションの原因(うるさい同僚とか)を避ける
- 「自動思考キャッチトレーニング」や「脱フュージョン」でフラストレーションを客観視
3.タスクの難易度
- 「プロジェクトの下位分析」を使って、大きなタスクを分解
- 「グズグズ主義克服シート」で仕事の難易度を判断する
4.あいまいさ
- こちらも 「if-thenプランニング」や「WOOP」などで実行すべきことをハッキリさせる
5.非構造的
- 「連想リマインダー」でタスクに筋道をつける
6.内的報酬がない
- 「5分ルール」でとりあえず作業を始めて、報酬系を活性化させる
- 「誘引バンドル」で好きなものと組み合わせる
7.無意味性
- 「ジョブクラフティング」で仕事の見方を変えてみる
- 「物語的アイデンティティ」を再確認してみる