自然とふれ合うと人生の問題が急に解決するかもしんないぞ!みたいな話
自然で ピークエクスペリエンスが起きる?
「自然は良い!」って話をよく書いております当ブログ。なんせ自然の写真を見るだけでもリラックス効果があるし、自然が多い場所で暮らすと長生きするなんてデータもあるぐらいですからねぇ。
ただ、新しく出た論文(1)を読んでたら、「ちょっと自然とふれ合うだけでも人生が激しくよくなる!(ことがある)」って壮大な結論になってておもしろかったです。
これはハイファ大学の研究で、まずはネットで「自然によってピークエクスペリエンスを体験したことがある人はいませんか?」と募集をかけたらしい。ピークエクスペリエンスってのは、自分の性格や人生の見方が劇的に変わったような体験を意味しております。
結果、実験には28〜70才の男女15名が集まりまして、その国籍はアルゼンチン、アメリカ、イスラエルなどさまざま。それぞれの職種やライフスタイルもまったく別だったそうな。
ピークエクスペリエンスに必要な4つの条件
リサーチでは、全員にピークエクスペリエンスの経験を細かく聞きまして、「自然でピークエクスペリエンスが起きるための条件は?」って問題を深掘りしていったんですね。すると、ピークエクスペリエンスが起こるには4つの条件があったんだそうな。具体的には、
- いま自分が抱えているパーソナルな問題と、自然環境になんらかの関連がある(ように感じられる)
- 「自分が抱えているパーソナルな問題」の存在を認めるのが心理的な痛みをともなう
- 自然の体験により、その問題に対して新しい視点が生まれる
- 自然によって生まれた新しい体験を、現実の人生に活かすことができる
って感じ。たとえば、この論文に登場する36才の女性の場合は、「いつも他人の希望どおりに沿って生きていた」って自覚があったものの、そこまで自分の欲望を犠牲にしているって自覚まではなかったんだそうな。
ところが、ある年に砂漠まで旅行に出かけたところ、広大な自然の風景を見ていきなり「こんなに世の中は広いのに、自分はなんで他人のために生きてるんだ!」みたいな思いがこみ上げちゃって、なんだかやたら自由になったような気分に変化。国に帰ってもその気持ちは去らず、自分で人生をコントロールできるようになったんだとか。「海外で人生が変わった!」とかいうと底の浅そうな印象もありますが、実際に自然によって劇的な変化が起こる可能性はあるんだ、と。
自然によって自分の問題に新たな光が当たる
研究者いわく、
自然によって、自分が抱える問題が体現されたような気分になり、自己と環境のミラーリングが起こり、問題に直面する勇気が生まれ、ときに自己の新たな側面が見つかることもある。
とのこと。その理由はよくわからんのですが、自然環境による心理的&肉体的なチャレンジが、なんか新たな体験に結びつく可能性を生むらしい。おもしろいもんですなあ。
というと、ピークエクスペリエンスを得るためには「広大な砂漠」とか「オーロラ」ぐらいのドラマチックな環境が必要かと思っちゃいますが、実際は上にあげた4条件さえ満たしていれば問題ないらしい。たとえば48才の女性は、普通に近所の林をハイキングしてたときに、急に「なぜ自分はいつも上を目指そうとしてるのだろう?」といった強い思いに襲われ、もっとリラックスした人生を送れるようになったとか。とにかく、いまの問題と自然がなんとなく対応してればいいんでしょうな。
ってことで、理由がわからない不磨とか扱いきれない感情を抱えているような方は、試しにどこか自然に出かけてみちゃいかがでしょ。確約はできませんが、なんか新たな突破口が見つかるかもなので。