貯金がたまらず借金が増えてしまう人にありがちな「性格」が特定された件
ビッグファイブには「協調性」とか「調和性」とか呼ばれる項目がありますな。これは、みんなと仲良くやっていける特性で、ざっくり言えば「いい人」のことを現しております。
そのため、他人から好かれるためには欠かせない要素なんですが、いまいち他の4つにくらべて地味な存在ではあります。というのも、
- 開放性=頭の良さと大きな相関がある!
- 誠実性&外向性=人生の成功に関係しやすい!
- 神経症傾向=日々の幸福度と密接な結びつきが!
みたいに他の4つは、人生の重要事となんらかの関係性があるんですよね。その点で、「調和性」にはいまいちピリッとしたデータがなかったりするんですな。
そんな状況下、新たに出た論文(1)は「調和性の高さは破産と相関がある!」って結論になっててビビりました。簡単に言えば「いい人ほど無一文になりやすい」ってことですね。
これはコロンビアビジネススクールの調査で、研究チームの問題意識はこんな感じ。
先行研究によれば、調和性の高さはクレジットスコア(信用度)や収入の低下と相関している。今回の研究では、この相関が他の指標でも確認できるのかどうかをチェックし、「いい人」が破産に追い込まれる理由を調べるのが目的だ。
実は過去のデータでも、いい人ほどクレジットカードの滞納が多く、年収も低い傾向があるんだ、と。確かに謎ですな。
で、この研究では、
- イギリスの政府統計
- オンライン調査
- 銀行の口座情報
などを使って約300万人のデータ25年分を収集。そのうえで全員の調和性スコアとくらべたんだそうな。
その結果がどうだったかと言いますと、
- 子どものころに「調和性」が高かった人は、大人になってから経済的な問題に追い込まれがち
- 「調和性」が高い人は、破産する確率が50%も高くなる
だったそうな。研究者いわく、
調和性は、貯金の少なさ、借金の多さ、破産の多さなどと密接に結びついていた。この現象は、調和性が高い人はシンプルに「金銭」に重きを置かないのが原因だと考えられる。
人の良さは経済的なコストをともなう。なかでも、調和性の悪影響を埋め合わせる手段を持たない人には、とくに人生へのダメージが大きい。
とのこと。いい人はお金にこだわらない傾向があり、そのせいで収入のために働かなくなってしまい、ついでに浪費も多くなっちゃうらしい。おおらかな性格が裏目に出た感じでしょうか。
ってことで、心当たりがある方はビッグファイブテストで自分の「調和性」をチェックしてみるのがオススメ。もし調和性だけが高く出た場合は、意識して金づかいをコントロールしていっていくほうがよさげであります。