酒を飲むと発がんリスクが上がる!では、タバコと比べてどれぐらいヤバいのかを見てみましょう
アルコールに発がんリスクがあるのは皆さまもご存じのとおり。世界がん研究基金のレポートにもあるとおり、肝臓癌や大腸癌などと明確な関係があるんですよねー。
ここらへんはアメリカ国立がん研究所も同じ見解(R)でして、
数多くのエビデンスは、定期的に酒を飲めば飲むほど癌リスクが上がる事実を示している。大酒飲みはもちろんのこと、週に1杯以下しか飲まないような人でも癌リスクは高まる。
ってのがコンセンサスになってたりします。週1杯以下でもダメってのは酒好きには厳しいラインですよねぇ。
で、新しいデータ(R)では「タバコとくらべた場合、酒はどれぐらい発がんリスクがあるの?」って問題を調べてくれてて有用でした。タバコという発癌リスクの王様みたいな存在と酒を比較してみたわけですね。
これはサウサンプトン総合病院などの研究で、過去に出た「タバコと癌」および「アルコールと癌」についてのデータをまとめて、それぞれのリスクとくらべたものになっております(Cancer Research UKのデータを使用)。
では、いきなり結論から言っちゃいますと、
▼タバコを吸わない男性の場合
- 週にボトル1本のワインを飲む人は、発がんリスクが1%増える(とくに 消化器がんへの悪影響がデカい)。これは、週に5本のタバコを吸うのと同じ計算になる
- 週にボトル3本のワインを飲む人は、発がんリスクが1.9%増える。これは、週に8本のタバコを吸うのと同じ計算になる
▼タバコを吸わない女性の場合
- 週にボトル1本のワインを飲む人は、発がんリスクが1.4%増える(とくに乳がんへの悪影響がデカい)。これは、週に10本のタバコを吸うのと同じ計算になる
- 週にボトル3本のワインを飲む人は、発がんリスクが3.6%増える。これは、週に23本のタバコを吸うのと同じ計算になる
みたいになってます。ボトル1本のワインが5〜10本分のタバコに相当するってのは、なかなか怖い話ですなぁ……。
研究チームいわく、
タバコとアルコールの比較は、発がんリスクを理解するに当たってわかりやすい指標となるだろう。アルコールが肝臓がんや乳がんなどの原因となるのは証明された事実だが、タバコほど世間には知られていない。
とのこと。確かにタバコとの比較を持ち出されると、やっぱアルコールも油断できん!って気分になりますね。
ちなみに別の研究(R)だと、酒による発がんリスクは年齢とともにあがっていくことがわかってまして、20代では飲み過ぎてもあんま悪影響が出ないのが、50〜60代だと激増しちゃうらしいんですな。その点でも、年を取ったら酒をひかえるのはいいことかもっすね。