ウコンに入ってる「クルクミン」で体脂肪が燃える!はどこまで本当か?
当ブログでよく出てくる抗酸化サプリといえば「クルクミン」。カレースパイスのターメリックにはいってる成分ですな。
そのメリットについては一定の評価がありまして、
といったデータが出てたりします。もちろんクルクミンは体内の利用率がとても低いって問題点はあるんだけど、抗酸化性能については疑いがないところかと思います。
でもって、近ごろもうひとつおもしろいのが、「クルクミンで痩せるんじゃないの?」って話もチラホラと出ている点です。どうもクルクミンってのは、脂肪の燃焼を促進する作用があるっぽいんですね。
ちょっとマニアックになるので読み飛ばして構いませんが、クルクミンが体脂肪の減少に効くかもしんないのは、AMPKっていう酵素に働きかけるからです。AMPKは人体のサーモスタットみたいな存在で、エネルギーが足りなくなると活性化しまして、
- AMPK のおかげで脂肪の合成が抑えられる
- マロニルCoAが減ったおかげで脂肪が燃える
みたいな現象が起きるんですよ。ざっくり言えば、クルクミンは脂肪の増加を食い止めつつ、脂肪を燃やしてくれるんじゃ無いか?と考えられてるですな。すばらしいですねぇ。
で、この話がどれぐらい現実のダイエットに役立つかを調べたデータ(R)が出ておりました。
これは過去のクルクミン研究から信頼性が高い11件をまとめたメタ分析で、876人の男女を対象にしております。すべてのデータは肥満体の人がふくまれてて、さらには、
- 糖尿病の人
- 非アルコール性脂肪肝
- メタボリックシンドローム
にお悩みの方も入ってる感じ。
実験で使われたクルクミンの量は1日70〜1900mgの範囲に広がってて、期間は4週間から10カ月になっております(平均8週間)。さらに11件のデータのうち、
- 8件は体重の変化を計測
- 10件はBMIの変化を計測
- 6件はウエストサイズの変化を計測
みたいになってます。また、
- 全体のうち8件はクオリティが高い
- 3件はクオリティが低い
って配分になってまして、この手のメタ分析としてはわりと信頼性が高くていいんじゃないでしょうか。
で、その結果がどうだったかと言いますと、
- 全体的な効果
- クルクミンで、プラシーボより体重は1.14kg減る!
- 同じくプラシーボよりBMIが0.48減る!
- サブグループ分析
- 1日1,000mgのクルクミンでウエストが2.25センチ減る!8週間以上飲み続ければ3.71センチ減る!
だったそうな。すべてひっくるめて見ると、
- ダイエット目的に飲むほどのレベルじゃないかもだが、とりあえず違いは出る!
ぐらいの印象でしょうか。どうやら体脂肪の燃焼に効くのは間違いなさそうですが、そのメリットを求めてサプリを買うほどでもないのかな、という。
また、当然ながらクルクミンのダイエット効果はBMIが大きな人ほど高く出てまして、普通体型の人が「もっと体を絞りたい!」って目的で服用してもまったく意味はないと思われます。そこらへんはくれぐれもご注意ください。
ただ、この研究でちょっと気になるのは、
- 多くの実験は吸収率が悪いクルクミンしか使ってない!
ってとこでしょうね。これまでも何度か書いたとおりクルクミンってのは異様に吸収率が悪いんで、そこらへんの問題を調整したサプリを使った場合はまた結果が違ってきそうな気もしております。
ってことで、やや判断が難しいメタ分析ではありましたが、とりあえずクルクミンの抗酸化作用が高いのは確実なんで、「ついでに脂肪燃焼のオマケも得られたらいいなー」ぐらいの気持ちで飲むのがいいかもですね。ちなみに、吸収率が高いクルクミンの選び方については、「とかく良い商品を選ぶのが難しい「クルクミン」のベストを選んでみた」にまとめてますんで、あわせてどーぞ。