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今週の小ネタ:IQが高い人の特徴、ビタミンB12不足の害、パートナーとのケンカに効く質問

Summary

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

 

IQが高い人の特徴とは?

まずは15,874人のイギリス人を対象にした研究(R)で、「IQが高い人の特徴とは?」って問題を調べたものになっております。被験者は子供のころにIQテストを受けた人だけを選び、さらに以下のような文章にどれだけ賛成できるかどうかを答えてもらったんだそうな。

 

  • 私は他の人種と働くのを気にしない
  • 同じグループにはいろんなタイプの人が混ざっていたほうがいい

 

 

つまり、この研究チームは、差別や偏見の気持ちがIQと相関してるんじゃないの?と考えたわけですね。昔から「差別は知性の低下と相関がある!」って話はあったんですが、ならば逆に偏見がない人ほど頭がいいのではないか、という。

 

 

で、果たして結果は研究チームの読みどおりで、IQが高い人ほど偏見が少ない傾向があったんだそうな。

 

今回の研究では、幼年期の一般知性の高さが、成人後のレイシズムを予測することがわかった。これは抽象思考能力の高さによるものだろう。認知機能は、偏見の醸成に重要な役割を果たしていると考えられる。

 

ってことで、抽象的にものごとを考えられる人ほど、差別や偏見にはハマりにくいのだ、と。そりゃそうでしょうなぁ。

 

 

 

ビタミンB12が足りないとどうなる?

 

脳神経の働きに欠かせない栄養といえばビタミンB12。新しい論文(R)では、ビタミンB12が足りないとどうなるか?って問題をあつかっててタメになります。

 

 

これは412人の高齢者を対象にした研究で、血中のビタミンB12レベルとメンタルの相関を調べたもの。その結果、

 

  • 全体の半数にビタミンB12が認められた
  • ビタミンB12が足りない人ほど鬱と孤独感が強い
  • ついでに筋肉の衰えも見られた

 

ってことで、想像以上にビタミンB12不足の悪影響は深刻みたい。ビタミンB12は野菜からはほぼとれないんで、野菜中心の暮らしをしているかたはご注意ください。

 

 

 

パートナーとのケンカに効く質問

 

こちらはウォータールー大学などの調査(R)で、「パートナーとケンカしたときはこの質問をしよう!」みたいな内容になっております。

 

 

まずは、その質問がどんなものかを言ってしまうと、

 

  • このケンカについて、1年後にはどんな気分になってるだろう?

 

みたいな感じです。要するに、いまのケンカをいったん長期的な視点に変えてみよう!ってことですな。

 

 

実験では「最近パートナーとケンカをした人」を対象に行われまして、

 

  1. 半分には現在の視点でケンカをとらえてみる
  2. 残り半分には、未来の視点でケンカをとらえてみる

 

といった介入をしたところ、未来視点を使ったグループは、自分たちの関係性をポジティブにとらえなおし、より相手を許せる気持ちになったんだそうな。

 

お金の問題や嫉妬などでパートナーとケンカになったとき、一般的には現在の感情をベースに議論をしてしまうため、いよいよ事態はこじれていってしまう。

 

しかし、2人の未来について思いをはせれば、私たちは意識を現在の感情から切り離すことができる。結果、コンフリクトがやわらぐのだ。

 

ってことなんで、「ケンカのときは未来志向!」と覚えとくといいかもしれません。もちろん、ケンカ中に「1年後の気分は?」とかいきなり尋ねてもいぶかしまれるだけなんで、あくまで「ちょっと思考のエクササイズを一緒に試してみよう」ぐらいの気持ちで誘導していくのがよいかとは思いますが。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。