不安になると勉強が頭に入らなくなる!では、具体的にどれぐらい悪影響なものなんでしょうか?
https://yuchrszk.blogspot.com/2019/04/blog-post_23.html
不安な気持ちが強いと頭が悪くなる!って説が昔からあるんですよ。とにかく人間の脳はストレスに弱いもんで、「今日はツラい日になりそうだな……」と思うだけでも頭はまわらなくなるし、お金に困るほどIQが下がるし、心の傷でも知性は低下するしちゃうんですよね。
で、不安が脳に悪いってことは、もちろん学習にもよくないわけです。不安のせいで勉強が手につかない!みたいなケースはよくありますが、その時は脳の機能も低下している可能性が大であります。
では、具体的に不安はどれぐらい勉強に悪影響なんだろう?ってことで、ラドバウド大学がナイスな調査(R)そしてくれておりました。
これは44人の女性を対象にした研究で、社会不安が強い人と低い人をほぼ均等に選んだらしい。実験の内容をざっくり説明しますと、
- 被験者に「幸せそうな顔」か「怒ってる顔」をランダムに見せる
- 最初のうちは「幸せそうな顔」でボタンを押すと賞金が出て、「怒り顔」で押すと賞金を取られる
- ある瞬間から、急に「幸せそうな顔」でボタンを押すと賞金を取られて、「怒り顔」で押すと賞金が出るように切り替わる
- 以上のステップを何度かくり返し、賞金が出るパターンの変化をどれだけすぐに学習できるかをみる
みたいな感じです。なので、現実世界での勉強とは条件がかなり違うんですけど、とりあえず脳が新しいことを学ぶ際のおおまかなシミュレーションにはなっておりましょう。
でもって、どんな結果だったかと言いますと、
- 怒った顔が表示された場合、もともと社会不安が低い人は、高い人にくらべて学習率が低かった(ざっくり20%ぐらい)
- 幸せそうな顔が表示された場合は、社会不安が高くても低くても学習率は同じだった
ってことで、もともと不安になりやすい人が他人の怒った顔を見ると、ストレスで勉強が頭に入りにくくなっちゃうみたい。
研究チームいわく、
今回の実験は、社会不安が学習の効率をさまたげることを示した。とくに「怒った顔」のようなネガティブな刺激があった場合に、この現象は起きやすい。
とのこと。私のように不安がちな人は、できるだけ他人の受動ストレスを避けて行動した方がよさそうであります。
ちなみに、2015年にも似たような実験(R)が行われてるんですけど、こちらは「間違ったら電気ショックを受けねばならない」というさらに過酷な条件を採用してるのがポイント。当然、電気ショックがあるほうが学習効率は下がっていきまして、グラフだと以下のような感じになってます。
横軸が不安スコアで縦軸が学習率でして、なかなかキレイな相関が出てますねー。こちらの研究チームいわく、
電気ショックの不安が無いときは、社会不安が強い人でも学習の効率には影響が出ない。
とのこと。そもそも社会不安が強い人ってのは、
- 新しい人に会うのが苦手
- 会話が苦手
- 人前で話すのが嫌い
- グループの食事が苦手
- 他人の批判が超苦手
みたいな特徴がありますんで、心当たりをお持ちの方は意識してストレス解消にはげんでいただければと思う次第です。