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5分以内にストレスと不安が激減する。科学的に正しい「ストレス対策」50選

Anxiety
当ブログでは、科学的な根拠のある「ストレス対策」についていろいろ書いております。気がついたら結構な量になりましたんで、ここでは「5分以内に効果が出るもの」だけを50種類ほど抜き出して並べておきます。


この手のリストに関しては「数だけそろえても意味がない!」みたいな批判も多いんですが、認知行動療法の世界では「事前にいろんなストレス対策を用意しておいたほうがいい!」って考え方があるんですよ。


これはコーピングレパートリーと呼ばれる手法で、大量のストレス対策を知っておくことで自信がつき、プレッシャーに対して適切に対応できるようになるんですな。


もちろんストレス対策には各自の好みがあるでしょうから、以下のリストを叩き台にして、自分なりのコーピングレパートリーを作っていただければと思います。

 食事&サプリ系

1.緑茶
緑茶にふくまれるテアニンにリラックス作用がある(1)。

2.ダークチョコレート
ポリフェノールがストレスホルモンを下げてくれる(2)。1回40gを食べれば十分。

3.マンゴー
マンゴーにふくまれるリナロールに抗ストレス作用がある (3)。

4.バナナ
バナナにふくまれるカリウムは、ストレスの悪影響から体を守る作用がある(4)。要はカリウムが大事なので、じゃがいもでもOK。

5.アルギニン+リジン
どちらもアミノ酸の一種。大規模なリサーチで不安に対する効果が確認されている

6.アシュワガンダ
昔からストレス解消に使われてきたハーブで、特に研究が進んでいるサプリのひとつ

7.ロディオラ
こちらも昔からストレス解消に使われてきたハーブ。アシュワガンダと並んで疲労回復の効果が高いとされる。

8.クレアチン
ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を激しく下げる効果がある(5)。筋トレと組み合わせると、さらに効果アップ。

9.ビタミンC
こちらもコルチゾールを減らす効果が高い成分(6)。ストレスが大きそうな状況(面接とか)の前に飲んでおくといいらしい。

10.ガムを噛む
ガムを数分噛むだけで、ストレスホルモンの数値が下がったとのデータあり(7)。

11.ラベンダーオイルを飲む
数あるエッセンシャルオイルのなかでも、特にリラックス効果が確認されている。アロマテラピーでも効くが、サプリとして飲むとさらに効果が高い。

行動系

12.背筋を伸ばす
オークランド大の実験によれば、背筋を伸ばすだけでメンタルが強くなり、ストレスが強い状況でも平気になるとのこと。

13.1人になる
5分間だけ1人の時間を作るだけでも思考がまとまり、不安やストレスが減る(8)。

14.皿洗い
フロリダ州立大の実験で、皿洗いがストレス対策に効くとのデータがあり。といっても単なる皿洗いじゃダメで、あくまで水の温度や洗剤の泡に意識を集中しつつ行う「マインドフルネス」の姿勢が大事。

15.音楽
2001年の実験(9)では、パッヘルベルのカノンを聞いた参加者は、みな不安のレベルや心拍数、血圧が下がった。この手の実験ではクラシック使ったデータが多いんですが、自分が好きな曲ならなんでもOK。デスメタルでもOK

16.読書
読書セラピーの効果は昔から認められていて、好きな本を読むだけで68%もストレスレベルが減ったとのデータも(10)。

17.暴力ゲーム
「暴力的なゲームは良くない!」って議論は昔からありますが、テキサス大の実験(11)では、暴力的なゲーム(GTAみたいなやつ)をプレイした学生は、マリオのような平和なゲームで遊んだ場合よりストレスが下がり、不安の症状も減ったそうな。ムシャクシャしたら、軽く暴力ゲームをプレイしてみちゃいかがでしょ。

18.クロスワードパズル
クロスワードパズルで参加者の不安が軽減したとのデータがある(12)。これは脳のワーキングメモリをストレス以外の作業に振り分けるのが大事なので、たぶんテトリスやスマホゲームでもいいはず。

19.とりあえず笑う
笑いがストレス反応を大幅に下げるのは有名な話(13) 。ストレスを感じたら、とにかくバカ動画を見てみるのはアリ。

20.ハグ
パートナーとハグをする回数が多い人ほどストレスが少ない傾向がある(1)。ハグでオキシトシンの分泌が高まるのが原因とのこと。ペットを抱っこしてもOK。




運動系

21.早歩き
ウォーキングのストレス解消効果は有名(14) 。だいたい時速5〜6キロぐらいで歩くと効果が高い感じ。ちなみに、早歩きには食欲を抑える効果があったりも。

 22.筋トレ
筋トレにはストレスホルモンを下げる働きがあり、不安感などを減らしてくれる。時間がなければ、その場で5分ほどスクワットや腕立てをしてみるだけでも大分違う。

23.ヨガ
ヨガとストレスの関係を調べた研究は多く(15)、そこそこの効果が認められている(ただし効果が出なかったとのデータもある)。

 24.ストレッチ
ヨガと同じくストレスホルモンが確実に減るかは不明。ただし筋肉の緊張がほぐれるのは間違いなく(16)、試して損はない。

25.ダンス
ダンスが不安やストレスに効くことは、80年代から確認されている(17)。ムシャクシャしたら軽く3分ぐらい踊ってみると吉。

26.昼寝
昼寝が体にも頭にも効く!ってデータは多め。さらに効果を高めたいなら、コーヒーと昼寝を組み合わせるコーヒーナップなんてテクニックも。

リラクゼーション系  

27.瞑想
2011年の実験では、たった2分の瞑想でもストレスが大幅に下がった(18) 。

28.呼吸法
呼吸を遅くすると血圧と心拍数が格段に下がる(19) 。具体的には「科学が認めた7つの呼吸法」をどうぞ。個人的には「タクティカルブリージング」がおすすめ。

29.漸進的筋弛緩法
 全身に思い切り力を込めたら、思い切り呼吸を吐いて体をゆるめる。この作業をひたすらくり返すだけで、睡眠の質が格段に上がる(20)。

30.ハンドマッサージ
2012年の実験(21)によれば、親指の下の筋肉を数分もむだけでも首や肩の緊張がほどけたとのこと。

31.太陽の光を浴びる
太陽セラピーは、昔からうつ病や不安症の治療に使われてきた伝統的なテクニック(22)。5分浴びるだけでも効果がある。

32.花の香りをかぐ
ここ数年で、花の香りには気分を向上させる効果があるとのデータが増えている(23)。自分が好きな花の香りならなんでもOK。

33.ローズウッドオイル
マンゴーと同じくリナロールを多くふくみ、やはり鎮静作用が高い。ベルガモットオイルも同じような効果がある。

34.シトラス系の香りをかぐ
シトラスの香りにはカテコールアミン(興奮系の脳内物質)を抑制する作用があり(24)、興奮を鎮めることができる。

35.コーヒーの香りをかぐ
コーヒーの香りにはストレスホルモンを下げる作用(25)があり、飲まなくても効果がある。

 36.森林浴
森林浴の効果については日本の研究者が実証研究を進めているところ(26) 。いまのところストレスと不安対策に良い成績をあげている。森林じゃなくても、ちょっと木々が多い公園を歩くだけでもOK。

37.自然の写真を見る
周囲に自然がなければ、とりあえず画像でもOK。副交感神経が優位になり、リラックス反応を得やすくなる。

セラピー系

38.ストレス日記
今日起きた嫌なできごとを日記に書くだけ(27)なんだけど、数百を超す実証データがアリ。くわしくは「『筆記開示』初級ガイド」をどうぞ。

39.不安になるための時間を決めておく
「午後1時から30分は不安になるための時間!」とあらかじめ決めておくテクニック。ペン州立大の実験(28)だと、1日のうちに不安の時間を決めた参加者は、それ以外はムダな悩みに苦しむ回数が減り、自然とストレスレベルも下がったそうな。

40.ペットを抱く
ペット療法には長い歴史があり、2011年のデータ(29)でも対人関係のストレスに効くことが示されている。

41.休暇の計画を立てる
過去にあった良いことをイメージするよりも、未来の良いことを計画したほうが感情が刺激され、ストレスを解消する効果が高まる(30)。長期休暇の計画を具体的に立ててみると吉。

42.脱フュージョン
第三世代の認知行動療法でよく使われる技法。「ネガティブな思考と自分を切り離す」のがポイントで、わりと即効性があります。具体的には「ストレスに打ち勝つための4つの「脱フュージョン」テクニック」をどうぞ。

43.イメージ療法
ガイド音声に従ってキレイな風景などを思い描いていく手法で、一定のストレス解消効果が示されている(31)。「寝たまんまヨガ 簡単瞑想」の後半がイメージ療法の音声ガイドになってるんで、使ってみるといいかも。

44.アートセラピー
アートのストレス解消効果も昔から何度も確認されている(32)。落書きでもなんでもいいので、とにかく自分の手を動かして何かを創作してみると吉。

すべからず集  

45.マルチタスクを止める
現代ではマルチタスクが大きなストレス源のひとつになっている。実際、マルチタスクで仕事をすると、だ液のストレスホルモン量が一気にあがるそうな。

46.完璧を目指さない
2014年のレビュー(33)によれば、完璧主義者はつねに激しいストレスにされされており、血圧や心拍数が高止まりする傾向が大きい。完璧を目指さす適度に手を抜くのが大事。

47.メールのチェックを減らす
ブリティッシュコロンビア大学の実験によれば、メールチェックの回数が多い人ほどストレスは増える。メールチェックは1日3回までにしておくのが無難。

48.スマホの使用量を減らす
スマホはマルチタスクを引き起こす第一の原因なので、当然ながらストレスを増加させる効果も高い。「午後9時からはスマホは手にしない!」といったルールを決めておくといいかも。

49.ポジティブ思考は使わない
ここ数年の心理学界では、ポジティブ思考が長期的にメンタルを悪化させる可能性を指摘している。その代わりに「WOOP」のテクニックを使ってみたほうがベター。

50.怒りを発散しない
怒って叫んだり泣きじゃくるのは、ストレス解消に関してはオススメできず。感情の発散は怒りを呼び戻し、かえってストレスが増える原因になってしまう。効果的に怒りをコントロールするには「リアプレイザル」を使うほうがよい。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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