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どんなに寝ても疲れが取れない!「慢性疲労」が起きる原因と対処法

Fatigu

 

慢性疲労に関するご質問をいただきました。

 

以前から悩んでることがあり相談させて下さい。

私は朝がとても辛く遅刻ギリギリまで布団を出ることが出来ません。

今は浪人生なのですが、学生の頃から支障が出てしまい、医者にかかったりサプリメントを調べアレコレ試してみましたが一向に改善に向かいません。

また、勉強を長い間続けていると、しっかり休んでいても頭痛が起こり非常にフラフラとします。

これらをどうすれば良いでしょうか?

一応筋トレが趣味なのもあり栄養にはある程度気を使っているつもりです。

 

とのこと。医者に行っても慢性疲労の原因がわからないというお悩みですね。

 

 

慢性疲労の原因といえば、

 

  • 栄養不足
  • 睡眠不足
  • 運動不足
  • ストレス

 

が四天王なんですが、いっぽうではちゃんと運動をして体に良いものを食べ、しっかり睡眠を取っているのに謎の疲れが取れないというケースはよく聞きます。それで病院に行くと、とりあえず抗うつ剤を処方されたりとか。

 

 

それも無理からぬ話で、なんせ慢性疲労の理由はいろいろありまして、なかには血液検査でも原因がわからないものも多いんですよ。

 

 

というわけで、以下に慢性疲労を引き起こしがちな原因を並べておきます。健康なライフスタイルを送っているのに疲れが取れないという方は、参考になさってください。

 

 

1.消化器官の不調

まず近ごろよく聞くのが、当ブログではおなじみ腸内環境の不調。その病態にはいろいろありまして、

 

 

 などが代表的なところ。これらの異常が起きると、

 

  • 腸が栄養を吸収しなくなり、体が満足に動けなくなる。
  • 体内に毒素がまわって免疫が暴走する
  • 慢性的な炎症と酸化ストレスが起きる
  • 解毒作用がうまくいかなくなる

 

といった状態を引き起こし、慢性疲労にかかりやすくなっちゃう。実際、慢性疲労の人は大便の真菌の量が多かったり(1)、フードアレルギーを持つ人ほど疲れやすいとの報告も多く上がっております(2)。

 

 

具体的な対策としては、

 

 

 などが参考になるかもしれません。いずれにせよ、壊れた腸を治すのは長期戦になりますんで、そのあたりは覚悟して臨んでいただければと。



 

2.実は慢性的な感染症にかかっている

これまた見つけにくいのが、慢性感染症で疲労が起きちゃうケース。慢性感染症とは、その名のとおり症状が急には出ずに、長期にわたってゆるやかに不調が続くケースであります。

 

 

具体的な研究例としては、

 

  • 慢性疲労または線維筋痛の患者の半分にマイコプラズマ感染が確認された(2003年,3)
  • 慢性疲労の患者を調べたところ、多数にEBVとHHV(どちらもウイルス)の抗体が見つかった(1994年,4)
  • ライム病菌の感染により、長期間の慢性疲労が起きる可能性がある(2013年,5)

 

といった感じ。ウイルスでもバクテリアでも、どちらでも慢性感染症は起こりうるんですよね。

 

 

実のところ、ほとんどの人にはマイコプラズマやEBV感染の可能性があるんですが、なぜ一部の人にだけ症状が起きるのかはまだ不明。こうなっちゃうと専門の治療を受けるしかないので、まずは慢性感染症にくわしい病院を探してみるしかないかと思います。

 

 

3.メチレーションの低下

メチレーションの低下も血液検査で見つけにくい異常の代表例。メチレーションは体内で起きる化学反応で、以下のような働きをしております。

 

  • カルニチンやメラトニン、CcQ10といった重要な物質を作り出す
  • 遺伝子のスイッチを入れたり切ったりする
  • DNAやRNAを合成する
  • 体内の解毒作用をスムーズに進める
  • 正常な免疫の働きを促進する

 

こう見ると、どれだけメチレーションが大事かがおわかりいただけるかと。実際、メチレーションが上手く働かない人はほぼ確実に慢性疲労を起こすことがわかっております(6)。

 

 

その原因としては、

 

 

 などの有害物質が体内にたまった結果だと考えられてますが、やはりくわしいところは不明。具体的な対策としては、とりあえず、

 

 

などを飲んで様子をみてみるといいでしょう。ただしメチレーションの低下を自力で治すのは難しいんで、やはりくわしいお医者さんを探したほうがよいかと思われます。

 

 

4.ミトコンドリア機能不全

ご存じのとおり、ミトコンドリアは体内のエネルギー生産工場。こいつが上手く働かないと、細胞がまともに働かなくなり、さまざまな不調を引き起こします。

 

 

たとえば2007年の論文(7)によれば、

 

  • 慢性疲労
  • がんの発症
  • 糖尿病
  • 統合失調症

 

などの深刻な病気に結びついております。その原因としては、

 

  • 有害物質が体内に溜まっている
  • 抗炎症剤の使いすぎ(インドメタシンとか)
  • 鎮痛剤の使いすぎ(アスピリンとか)
  • 抗うつ剤の使いすぎ

 

などが考えられております。これまた判断の難しい状態なんで、心当たりがあればくわしいお医者さんを探すしかないかも。

 

 

まとめ

そんなわけで、血液検査でも発見しづらい慢性疲労の原因について見てみました。

 

 

といっても、現代では慢性疲労の大きな原因はストレスですんで、まずは自分のメンタルをチェックしたうえで、それでも問題がないと思うなら上記の症状を疑ってみてください。その場合は自力でどうにかしようとは思わず、まずはちゃんとしたお医者さんを探してくださいませ。では、お大事に。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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