今週末の小ネタ:エクササイズすると年収が上がる、酒の脳ダメージ、生後1年の身長と健康と収入
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
エクササイズすると年収が上がるかもよ?説
運動が体にいいのは常識ですが、ついでに「年収もあげてくれるかもだ!」と思わせるデータ(R)が出ておりました。
こちらはユヴァスキュラ大学などが5,042人の男性を集めた研究で、1975, 1981, 1990年の3つの時点で全員の運動レベルをチェックしたうえ、そこからさらに15年後における年収と比較しております。
その結果、どんなの傾向が確認されたのかと言いますと、
- エクササイズの量と収入は相関しており、身体活動が活発な男性は、ほとんど運動をしないグループより14〜17%ほど高い収入を得ていた
だったそうです。この研究においては、健康状態、遺伝、家族の要員、教育レベル、結婚状態、身体的魅力などの要素はすべてコントロールされてまして、それでもなおエクササイズと収入には相関が確認されたとのこと。
エクササイズと収入に相関が出た理由はよくわからんのですが、研究チームは「運動によって粘り強さが鍛えられ、障害にあってもゴールに向かった行動が取れるのではないか?」と推測しておられます。運動のおかげでメンタルがタフになり、それがビジネスにも役立つんじゃないのか、と。
まぁこれについては「金があるから運動するのでは?」みたいな可能性も捨てきれないのでアレですが、「運動は健康にもいい上に年収も上げてくれるかも?」とか思っておくと、エクササイズのモチベーションが上がってよろしいのではないでしょうか。
酒で脳が小さくなり、小さい脳がさらに酒量を増やす?
「酒は脳の働きに良くないよなー」って見解は昔からあるわけですが、新しい研究(R)は「飲み過ぎで脳が縮むよ!」みたいな感じのデータになっておりました。
これは2,423人の男女を対象にした観察研究で、全員に脳スキャンと遺伝子解析のデータなどを使ったうえで、「飲酒をする人はどう脳が変わるのか?」ってポイントをチェックしたんですよ。その結果がどうだったと申しますと、
- アルコールを飲めば飲むほど脳のボリュームは小さくなる
- なかでも島皮質と背外側前頭前野のボリュームが下がる
だったそうです。どちらも人間が意思決定を行う際に欠かせないエリアでして、ここの機能が弱いと目先の欲望に流されがち。
研究チームいわく、
今回の調査では、アルコール摂取と脳容量の減少との関連性には、遺伝的要因の共有が原因だろうことが示されている。また、脳の特定のエリアのボリュームが少ないと、アルコール摂取量が増える傾向もある。
とのこと。もしかしたら、酒で脳が小さくなるだけではなく、脳が小さくなったせいでさらに酒を飲んでしまうのではないか?ってことでして、アルコールのビシャスサイクルが指摘されておりました(もちろん遺伝の影響も大きいようですが)。ってことで、くれぐれもアルコールにはご注意ください
生後1年の身長が病気と収入に反映される?
サウサンプトン大学が、「生後の身長が大人になってからの心疾患リスクやら年収やらと関係あるかもよー」というデータ(R)を出しておりました。
これはヘルシンキで1934〜1944年のあいだに生まれた4,630人の男児を集めた研究で、身体的特徴の変化などを12歳になるまでチェック。1990年に再び全員を集め、すべての被験者の教育、収入、職業などのデータを調べたんだそうな。
その結果、どんな傾向が確認されたかと言いますと、
- 生後1年で身長がだいたい71センチ以下だった者は、50代になってからの年収が平均$25,000だった
- 生後1年で身長がだいたい79センチ以上だった者は、50代になってからの年収が平均$36,000だった
この傾向は、赤ん坊が育った経済状況を考慮しても確認されたそうで、なんとも辛い話になっております。なんでこういった傾向が確認されたかは不明なんですけど、この調査では、
- 生後1年の身長が低かった場合は低収入の影響に弱くなり、二型糖尿病や心臓病の発症率が上がる
みたいな傾向が出てまして、やっぱ体が弱いからなのかなーという気がしますねぇ……。