筋肉量アップに役立つサプリ「クレアチン」で体脂肪は減るのか?というメタ分析の話
このブログで推してるサプリと言えば、ビタミンDとクレアチンの2つ。クレアチンは筋トレ用に使うサプリで、数あるサプリのなかでも筋肉の成長については、結構な良い成績を出しているのが特徴であります。
で、新しいデータ(R)は、「クレアチンで痩せられるのか?」ってとこにスポットを当てていて、なかなかよい感じでした。筋肉の成長に効くのなら、体脂肪の削減にも効くんじゃないか?ということですね。
そんなわけで、研究チームはクレアチンに関する過去のデータから、19件を抜き出してメタ分析を実行。その際、どのような基準でデータを選んだかと言いますと、
- 1日最低2gのクレアチンを使ったRCTである
- 参加者の年齢が50歳以上で、最低でも週に2回の筋トレをしている
- テスト期間が最低5週間になっている
- 体脂肪率や体重の変化をチェックしている
みたいになってます。ちょい高めの年齢層にクレアチンを使ったら、体脂肪はどうなるの?ってとこをチェックしたわけっすね。全体のサンプル数はちょい少なめなんですけど、ほかに類例が少ない研究なんで、そこはいたしかたなしであります。
でもって、その結果をざっくり見ていきますと、こんな感じです。
- クレアチンを飲んでも体脂肪量は有意には減らない(0.50kg 、p =0.13)
- 体脂肪率には「減るかも?」という結果が得られた(0.55%pt 、p = 0.04)
なんだか評価が難しい数値ですけど、いちおう筆者たちは「クレアチンは体脂肪を減らすのにも使える」と判断したようでして、だいたい以下のメカニズムを推定しておられます。
- クレアチンが脂肪細胞におけるATP(エネルギー源ね)産生をうながし、皮下脂肪や褐色脂肪細胞の代謝をあげるのかも?
- クレアチンが脂肪細胞内の中性脂肪の合成をブロックするのかも?
- クレアチンのおかげで筋肉が増えて代謝が上がるのかも?
ってことで、いずれも「なんだかありそうな話だなー」って感じの仮説になってますね。
もっとも個人的には、このデータを見て「クレアチンで体脂肪を減らそう!」とは主張しない感じではあります。なんせ、全体的に見ればすごーくつつましい数字しか出てないので、研究チームが言うほどの盛り上がりには欠けるかなー、って印象なので。今回の数値を見てると、おそらくクレアチンで体脂肪を減らすのは望み薄じゃないでしょうか。
まぁそうは言ってもクレアチンが筋肉量の増加に効くのはかなり確立された話なんで、「ついでに体脂肪も減ったらいいかなー」ぐらいの気持ちで使うのはありでしょう。どうぞよしなにー。