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トレーニングしても筋肉が増えなくて……。そんな時は「クレアチン」だ!という研究

Th 2014 08 14 23 10 45

クレアチンはコストに見合う働きをしてくれる
というわけで、久々にクレアチンの話です。クレアチンってのは3種類のアミノ酸がまとまった成分で、筋トレのおともには最適な一品。エネルギーを生み出す効率が高いうえに抗糖化の働きもありまして、とにかくいろんなメリットが確認されてるんですな。


そんなわけで、当ブログではよくビタミンDをすすめてますけど、クレアチンも数少ない推奨サプリのひとつです。ビタミンDほどエビデンスはないものの、お代を払った分だけの働きはしてくれるかと思います。


筋トレの停滞にもクレアチンは効くか?
でもって新しい論文(1)では、いったん原点にもどって「クレアチンで筋肉は増えるの?」って問題を調べてくれております。過去にも似たような実験はありましたが、この研究が新しいのは、筋トレ歴が長い人を対象にしてるとこです。


というのも人間の体って、筋トレ歴が長くなればなるほど筋肉が成長しにくくなるんで、どうしてもビギナーを対象にした研究に偏りがちなんですよ。そのせいで、「クレアチンが筋トレの停滞を解消してくれるのか?」ってとこは意外と未知数だったんですね。


これはロンドリナ州立大学などの実験で、筋トレ歴が2年以上の男性45人が対象。平均年齢は23歳ぐらいで、「いまいち筋肉が増えにくくなってきたなー」ぐらいの人を選んでおります。


実験では全体を2グループに分けてまして、

  1. クレアチングループ:最初の7日は体重1kgあたり0.03gのクレアチンを1日4回飲み、あとの7週間は体重1kgあたり0.03gのクレアチンを1日1回飲む
  2. プラシーボグループ:ニセのパウダーを8週間飲み続ける

そのうえでみんなに週4の筋トレを指示したそうな。

  • 月曜日と木曜日:胸、肩、二の腕、腹筋のトレーニング
  • 火曜日と金曜日:背中、力こぶ、太もも、ふくらはぎのトレーニング

実験後の筋肉量はDEXA法でチェックしまして、どっちのグループに良い影響が出たかを調べたみたい。


筋トレビギナーじゃなくてもクレアチンはいい感じ
その結果はと言いますと、

  • クレアチングループの大勝利!

って感じでして、プラシーボ群よりもガッツリと筋肉量が増えていた模様。クレアチンは筋トレの停滞期にもかなーり役立ってくれそうっすね。


でもって、この実験ではもうひとつおもしろい結果も出てまして、

  • クレアチングループは、上半身の筋肉が下半身より約2倍ほど増えていた!(7.1 ± 2.9% vs. 3.2 ± 2.1%)

ってのも興味深いところ。プラシーボ群は全身の筋肉が等しく増えたのに対して、クレアチンは発達スピードに差があったらしいんですな。


こういった現象が起きる理由は不明ながら、研究グループは「上半身のほうが速筋が多いからじゃない?」と推測しておられます。通常は速筋のほうがクレアチンの吸収力が高いので、そのぶんだけ発達スピードも速くなるんじゃないのか、と。いかにもありそうな話ですねぇ。


まとめ
そのへんはまだ謎が多い話ではありますが、以上の話をまとめると、

  • 筋トレに慣れた人でもクレアチンは使えそう!
  • 特に上半身を鍛えたい人はどーぞ
  • 逆にクレアチンを使うときは、いつもより下半身トレーニングのボリュームを増やしたほうがいいかも

といったところです。ここ最近はあんまクレアチンを使ってなかったんですけど、ひさびさに再使用してみようかしら。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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