オメガ3や6はよく聞くけど「オメガ9」ってどうなの?体にはいいの?問題
脂肪酸に関するご質問をいただきまして。
最近オメガ9ってよく目にするんですけど、これってどうなんですかね?
とのことでして、オメガ3やオメガ6はよく聞くけど、オメガ9はどうなのか?という疑問であります。確かに近年のサプリ界隈では、オメガ9もチラホラ見かけますねー。
で、名前のとおり、オメガ9は不飽和脂肪酸の一種でして、
- オレイン酸
- ミード酸
- エルカ酸
- ネルボン酸
などが有名なところ。なかでも有名なのはオレイン酸で、
- オリーブオイル(66%)
- アーモンドオイル(76%)
- ピーナッツオイル(70%)
- ごま油(40%)
- サンフラワー油(28%)
みたいなのにふくまれております。オリーブオイルに多いって時点でいかにも体に良さげですが、いまのところオメガ3やオメガ6に比べるとデータ量が足りないのが困り者。そのへんについてはブラジルのFCFRP-USPが2013年に良いレビュー論文(1)でまとめてくれてますんでご紹介しておきます。
これは過去のオレイン酸に関する研究をざっくり抜き出したもので、いまのところオメガ9がよさげなのは、
- 免疫システムを正常化する効果はかなりありそう
- コレステロールもほぼ間違いなく下がる
- 体内の炎症を下げる効果もそこそこありそう
ってあたり。オメガ3に比べたらまだまだ研究は進んでないものの、それなりに良い成績が出てたりします。特に心疾患リスクの低下についてはそこそこ信頼して良さそう。いまところは「かなり見込みはありそうだが、まだまだよくわからん!」ぐらいの印象っすね。
そのほかの話でいうと、マウス実験では「抗がん作用があるかも?」とか言われてたり、「脂肪肝を防ぐかも?」なんて話もあったりとか、おもしろいデータも出てるもののいずれも動物実験の段階。ここら辺はまだなんとも言えませんねー。
でもって、オメガ9がオメガ3や6と大きく違うのは、
- 体内で作れる!
ってとこです。オメガ3とオメガ6は食事からとらないといけないんですけど、オメガ9は日常的に食べてる脂肪から合成できちゃうんですな。なので、わざわざオメガ9のサプリを買うのはまったくオススメしません。普段の食事で脂肪をとってれば特に問題もありませんでしょう。
さらに言えば、オメガ系には5や7も存在してますが、こちらも体内で作れますんで特に気を使わなくてもOK。基本的には、やはりオメガ3とオメガ6のバランスに気を配っておけばよろしいかと存じます。
ってことで、以上の話をまとめると、
- とりあえずオレイン酸には良い効果がありそう。心疾患リスク低下はほぼ確実
- ただし、普通に肉や魚を食べてればオメガ9は体内で作られる
- なので、日常的にオメガ9を気にする必要はなし
って感じになりましょう。おそらくオメガ9は重要なんだけど、まぁやっぱオメガ3と6を気にしましょうってことでー。