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「意見を簡単に変える vs. 意見を変えない」周囲の印象が良いのはどっちだ?みたいな実験の話

 

「意見を変えない頑固なやつ」というとなんだかひたすら困った人のような印象がありますけど、「実は相応のメリットもあるよ!」みたいな内容のデータ(R)が出ておりました。「イヤなやつほど仕事がデキる」で有名なフランチェスカ・ジーノ先生のお仕事であります。

 

 

これがどんな研究だったかと言いますと、まず実験の参加者を「起業家」と「投資家」の役に割り振ったうえで、以下のような指示をしてます。

 

  1. 起業家を演じるグループ全員に「自分のビジネスアイデアを揺るがす情報」を見せる
  2. 起業家グループを半分にわけ、一方には「自分の意見を変えた!」と表明してもらい、残りには「自分の意見は揺らがない!」と表明させる
  3. その姿を投資家グループに見せて、どんな印象を抱いたかを採点してもらう

 

って感じです。意見を簡単に変えた人と変えない人では、第3者からの印象にどのような違いがあるのか?って問題っすね。

 

 

でもって、その結果をざっくりまとめるとこんな感じになります。

 

  • 意見を変えた人に対して、多くの参加者は「この人は自信はないが頭はいいんだろうな」と判断した
  • 意見を変えなかった人に対して、多くの参加者は「この人は知性はいまいちだが自信に満ちあふれてるな」と判断した

 

つまり意見を変えないことにも一定のメリットがあるんじゃない?ってことで、なんかよくわかる話ですね。

 

 

実際、この研究では、以下のような結果も出てたりします。

 

  • 頭の良さが重視される仕事(応用化学とか)では、意見を変えた人を「重んじるべきだ!」と判断されるケースが多かった

 

  • 自信の高さが重視される仕事(スピーカーとか)では、意見を変えない人も重んじられた

 

ということで、こちらも納得の内容ではないでしょうか。意見を変えることに対してどう思うかは、その時の状況に左右されるわけっすね。要するに、この研究が正しいならば、

 

  • 知性をアピールしなければならない場面では、意見を簡単に変えたほうが良い
  • 自信をアピールしなければならない場面では、意見を簡単に変えないほうが良い

 

みたいな感じになりましょうか。まぁ現実には知性と自信を同時にアピールせにゃならん場面も多いんで、そこらへんのさじ加減は難しいとこですけどね……。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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