酒を何杯飲むと脳が働かなくなるのか?そしてその悪影響はいつまで続くのか?というイギリスのメタ分析
酒の飲み過ぎが体に悪いのは当たり前ですけども、もうひとつ困っちゃうのが脳機能の低下ですわな。飲んだ翌日に頭がボーッとして働かなくなる感覚は、酒飲みであれば味わったことがありましょう。
私はアルコールを絶って5年近くになりますが、かつては大酒飲みでしたので、あの脳がまともに働かない感じは覚えております。酒断ちをしたおかげで、だいぶ仕事はラクになりましたねー(笑)
といったところで新しい論文(1)では、「酒を飲むとどれぐらい頭が働かなくなるの?」って問題にフォーカスしてて新鮮でした。
これはバス大学の研究で、質が高めな36件のデータから1163人分を精査したメタ分析になっております。なかなか信頼できる内容でよろしいのではないでしょうか。
では、この論文が何を調べたかと言いますと、
- 深酒をしたら脳はどれぐらいの期間にわたって低下するのか?
ってとこです。ここでいう「深酒」はCDCの基準にしたがってて、女性なら1回でグラス4杯以上、男性ならグラス5杯以上を意味しております。これぐらいの酒量だと、普通の飲み会でも軽くオーバーしちゃいますな。
それで何がわかったかと言いますと、
- 深酒をすると最大で1日を超えても脳の機能は低下し続ける。このパフォーマンス低下は、血中からアルコールが消えても続く
だったそうな。二日酔いで脳が働くなるのは予想できますが、実は体内から酒が消えても頭はまともに働いてくれないんだ、と。しかも、その影響は翌日以降も続く可能性があるんだ、と。
研究者いわく、
酒によるパフォーマンスの減少は、集中力、記憶力、反応時間の低下によるものが大きい。
ってことで、どうもいろんな能力が下がっちゃうみたい。困ったもんですな。
アルコールの影響力がここまで長引く理由は、
- アルコールの分解には大量の水分が必要なので、体内から水が失われる
- 脳が脱水状態になり脳膜が縮んでいき機能が低下!
- ついでに、体外に水分を出す際にマグネシウムやカリウムなども失われる(どっちも脳が働くために欠かせないミネラル)
- さらに脳機能が低下!
って流れになってたりします。これだと確かに、アルコールが消えても脳はまともに働きませんわな。
ここでわかったのは、深酒が日常的な活動に深刻な悪影響をおよぼすという点だ。集中力と憶力の低下により、仕事や運転の能力は大きく損なわれる。
ということなので、脳にダメージを与えないためにも深酒はよろしくなさげ。
この問題は、おもにアルコールによる水分の消失とミネラルの減少によって起きるので、どうしても「5杯以上飲みたいんじゃ!」という方は、大量の水を飲みつつミネラル系のサプリ(特にマグネシウム、カリウム、塩分)を併用するといいかもしれません。まぁ適度なところでやめるのが一番ではありますが。