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「最高の体調」のボーナストラック編#7:「最高の友情はいかに生まれるのか?」

Conditoon2

最高の体調」に収録しきれなかった文章を紹介していくコーナーでーす。幸いにもご好評をいただいてまして、めでたく4刷の計6万部に到達しました。ひとえにみなさまのおかげでございます。ありがたや、ありがたや。


あと、このコーナーが生まれた理由については、「「最高の体調」のボーナストラック編#1:「ポリフェノールと腸」」をご参照ください!

さて、ここで紹介するのは、第4章「環境」で取り上げる予定だった一編です。この章では「友情がいかに体にいいのか?」って話を書いてるんですが、そこで収録しようかと思ってた研究データです。


ざっくりいえば、かつてペンシルバニア大学が「いかに友人を作るべきか?」って問題をガッツリ調べたことがありまして、その実験の紹介になっております。友情研究としては最大級のデータなんで、参考になるんじゃないかと思われます。


古代の友情と現代の友情
古代社会の友情について考えてみましょう。人間の認知が処理できる親友の上限が5人ならば、私たちの祖先は、いったいどんな相手を仲間に選んできたのでしょうか?

普通に考えれば、自分が生き延びる確率を高めるために、様々なスキルに対して分散投資を行ったことでしょう。狩りが得意な者、火を起こすのがうまい者、歌と踊りが達者な者、健康的な体を持つ者など、なんらかの得意分野を持った仲間が増えるほど、自分の遺伝子を後世に残す比率は高まるからです。


この見方からすれば、現代で有利なのは、お金を持っている者、社会的な地位が高い者、頭が良い者、人間関係のネットワークが広い者などでしょう。身もふたもない結論ですが、新約聖書にいう「与えよ、さらば与えられん」は世の習い。友情を育むには利益の与え合いが欠かせません。



この考え方を、心理学の世界では「同盟仮説」と呼びます。人類が生き延びるためには、いざというときに助け合えるような仲間が欠かせず、そのため私たちは互いの利益になりそうな相手を友人に選ぶように進化してきたわけです。


そう言われると、「相手に与えられるようなものがない人間はどうすればいいのか?」といった疑問がわくかもしれません。そこまで利益の相互提供が大事なら、財力も特技もない者にはなすすべがないのではないか、と。


それは、大きな間違いです。というのも、どんな人でも、生まれつき最強の贈り物を必ず持っているからです。


最高の友人はどうやって決まるのか?
2009年、ペンシルバニア大学が「友情」に関する最大級のリサーチを行いました。


研究チームは「マイスペース」(音楽中心のSNS)から1100万人分のデータを集め、各自のプロフィールに掲載されていた「友達ランキング」を分析。その結果、全体の約7割は、自分のことを1位にランクづけした相手を最高の友人として選んでいたことがわかりました。


「マイスペース」の友達ランキングは他のユーザーには非公開であり、お互いに相手が自分を何位にしたのかはわかりません。


それでも多くの人は、本能的に向こうが自分をどうランクづけしたかを正しく察知し、こちら側も相手を最高の友人に選ぶことで好意に報いたわけです。人間の心には、友情のレベルを的確につかむための認知システムが備わっているのかもしれません。


この研究からわかるのは、人間は「自分のことを好きな相手を好きになる」というシンプルな事実です。


それもそのはずで、どれだけ狩りが上手い者や健康的な者を仲間にしようが、彼らが自分を好いてくれない限りは強固な同盟が成り立ちません。いつ裏切るかもわからない大国よりも、有事の際には必ず自分を助けてくれる小国と同盟を結んだほうが安心感は大きいでしょう。


つまり、私たちが他者に与えられる最強のプレゼントは「信頼」です。


相手に「こいつは絶対に自分を裏切らない」と感じさせれば、そこには必ず強固な同盟関係が生まれます。マーク・トウェインが残した「彼は人を好きになることが好きだった。だから、人々は彼のことを好きだった」という一文は、科学的にも正しいのです。

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