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「積極的な態度」は会社にとっていつもいいことなのか?問題

 

「積極性が大事!」ってのはどの文化圏でも受け入れられてる考え方で、実際に積極性がある人ほど会社の利益に貢献するし、斬新な仕事をしやすいこともわかってたりします。積極性のなさでは人後に落ちない私としては、なんとも切ない話なんですが。

 

 

ただ、近ごろ見たデータ(R)によれば、「積極的な態度が問題を起こすこともあるぞ!」って結論になってて勉強になります。

 

 

ざっくりどんな研究かといいますと、

 

  1. 積極性と生産性に関する95件の調査をレビューする
  2. さらに、いろんな業種から集めた25人にインタビューして、積極性が本当に成功につながるかどうかを調べる

 

みたいな感じ。積極性の大事さは間違いないものの、実際はデメリットもあるんじゃないの?ってとこを調べたわけですね。

 

 

で、分析の結果、やはり積極性にも問題点があることがわかってきまして、具体的には以下のようなケースが挙げられてました。

 

  • いろんな仕事やデカいプロジェクトを引き受けた結果、心と体がボロボロになる
  • 間違った方向で業務のやり方を変えまくった結果、組織全体にダメージが起きる(急速なデジタル化を進めたせいで、他の従業員の仕事がストップしまくったりとか)
  • 自己本位で仕事の量をコントロールしようとして、同僚たちの負荷が高くなる
  • 上司がいないあいだに勝手に仕事のやり方を変えて、後から関係性が悪くなる

 

要するに、積極性のせいで自己本位にな行動を取りやすくなり、おかげでみんなに迷惑をかけるケースがままあるんだ、ってことですね。イケイケ社員のせいで内向的な人が困るのは、"会社あるある”のひとつかもしんないですね。

 

 

研究チームいわく、

 

イノベーションの推進に価値をおき、同時に生産性も高いスタッフが重荷になることはいくらでもある。

 

積極的なスタッフは、組織のニーズに合わない品質管理システムの導入や不要なコストの投入など、誤った行動にリソースを注ぎ込むことがある。

 

ってことで、張り切りすぎによる弊害を強調されておりました。組織で働いたことがあれば、誰にでも心当たりがある話ではないかと。

 

組織にとって大事なのは、スタッフが組織の戦略と予算の規模を常に理解できるようなシステムを設計することだ。

 

ってことでして、積極性をうまく生かすためには、「その積極性が組織の目標と一致してるか?」や「スタッフがエネルギー管理できてるか?」を組織が考えなきゃダメだよー、とのこと。まぁそりゃそうだよなーってとこですが、積極性が高い方は自分の気質を活かすためのチェックポイントとしてお使いください。私の場合はそもそも積極性がゼロなんで、ほぼ無関係な話ですが‥‥。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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