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オリーブオイルでアンチエイジングするには1日何グラムとればいいのか?問題


オリーブオイルがいい!なんて話はもはや皆さま耳タコでしょうが、近ごろハーバード大学があらためて精度の高めな研究(R)をしてくれましたんで、その結果を知っておくのは有益でありましょう。


今回のデータは「オリーブオイルが心臓病やら脳卒中やらにいいのか?」ってところを調べたものでして、もちろん過去にも似たような調査はあったものの、地中海周辺で観察されたデータがほとんどだったんで、判断が難しかったんですよね。


というわけで、今回のハーバード研究はアメリカ人に焦点を当てていて、61,181人の女性と31,797人の男性を24年ほど追跡調査した内容になってます。アメリカはヨーロッパにくらべて肥満と心疾患が多いんで、オリーブオイルの効果は気になるとこっすね。


調査は1990年からスタートして、4年ごとに食物に関する質問を実行。スタート時点ではがん、心血管疾患、脳卒中の人はいなかったとのこと。


研究チームは全体の参加者を4つのグループに分けてまして、

  1. オリーブオイルを月に1回使うかほとんど使わない
  2. 1日あたり0〜4.5 gのオリーブオイルを摂取する
  3. 1日あたり4.5 g〜7g未満のオリーブオイルを摂取する
  4. 1日あたり7g以上のオリーブオイルを摂取する

といった感じで、それぞれに心筋梗塞や脳卒中がどれぐらい起きたかを調べたたんだそうな。


では、結果をまとめて見ていきましょうー。

  •  オリーブオイルの摂取量が多い人(1日7グラム以上)は心血管疾患のリスクが14%低くなり、冠動脈性心疾患は18%低くなる
  • 全脳卒中または虚血性脳卒中には特に違いがなかった
  • 5gのマーガリン、バター、マヨネーズ、乳脂肪の代わりに1日5gのオリーブオイルを使うと心疾患リスクが下がるっぽい
  • 具体的には、マーガリンをオリーブオイルに変えるとリスクが6%下がり、バターの場合は5%下がり、マヨネーズだと7%、乳脂肪は5%ずつ数値が低下する

ってことで、全体的に「やっぱりオリーブオイルすごいなぁ……」と思わせる結果になってますね。もちろん、この分析からは食事の違いや喫煙状態、家族歴、高血圧などの疾患の存在を含む他の因子は調整されております。まぁあくまで観察研究の話ではありますが、データとしてはかなり膨大なものがありまして、そこそこ信頼できそうっすね。


研究チームいわく、

本研究の知見は、バター、マーガリン、マヨネーズ、乳脂肪のような飽和脂肪をオリーブオイルに置き換えることで、心疾患リスクを下げられる可能性を示唆する。アメリカ国民には、健康に悪い脂肪の代わりにオリーブオイルの使用を促進すべきかもしれない。

とのことでして、またもオリーブオイル最強説に有利なデータが加わった感じがしているわけです。1日7gのオリーブオイルというとだいたい小さじ2杯ぐらいなんで、そんなたいした量でもないっすね(カロリーも70kcalぐらい)。これぐらいなら日々の習慣として続けるのは簡単でいいっすな。


最も、このブログを長らくお読みの方ならご存じのとおり、オリーブオイルは質が良いものを選ぶのが難しい商品のひとつではあります。なんせ混ぜ物をされてもわからないし、ブランドによってポリフェノールの量に差があるしで、どれを買ったらいいんかなーってのは悩ましいとこなんですよね。


いちおう過去に紹介したところでは、


ってのがありますんで、とりあえずの参考にしていただければと。どうぞよしなにー。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。