コミュ力を上げたければ内受容感覚に敏感になるといい!‥‥かも?みたいな実験の話
内受容感覚に敏感になればコミュ力が上がる‥‥かも?と思わせる話(R)が出ておりました。内受容感覚ってのは、以前にもちょっと説明したとおり「自分の身体の変化にどれぐらい敏感か?」みたいな考え方で、
- 自分の空腹感がどれぐらいかを正しく判断できる
- 自分の肉体の疲労度を正しく判断できる
- 自分の心拍数がどれぐらいのスピードかがなんとなくわかる
といった人たちは「内受容感覚が敏感だねぇ」と言われるわけです。
というと大したことがなさそうに思えるかもですが、内受容感覚に敏感な人ってのは、
- かなりメンタルが強かったりする
- 身体の能力も高ったりする
みたいな傾向がありまして、なかなかおもしろいポイントなんですよ。ちなみに、内受容感覚についてさらにくわしく知りたい方は、最近の本だと「情動はこうしてつくられる」が非常によかったので合わせてどーぞ。
で、今回のテストは80人の日本人を対象にしてまして、どんな実験だったかと言うと、
- みんなに「自分の心拍数がどれぐらいかを推測してみて!手首で脈拍を測ったりするのはナシね!」と指示する
- 参加者が推定した心拍数を、ガジェットで測った実際の心拍数と比べる
- みんなに微笑む女性の映像を見てもらい、「その人の表情を自然とマネするか?」や「相手のアイコンタクトにどれぐらい敏感か?」を調べる
みたいになってます。
心拍数を推測させるのは内受容系の調査では定番のテストで、当然、推測値が実際の心拍数に近いほど「内受容感覚が敏感」だと判断できるわけっすね。心拍計さえあれば手軽にできますんで、自分の内受容感覚が気になる方は、1分間の心拍数を推測してみてくださいませ。
で、この実験でチェックした「相手の表情をマネするか?」と「アイコンタクトに敏感か?」は、ご想像のとおりコミュニケーション能力のうまさを調べるために行ったものです。相手のアイコンタクトや表情を察することができないと、コミュニケーションがうまくいくわけないですからねぇ。
すると、結果はチームの予測どおりでして、
- 内受容感覚が敏感な人ほどアイコンタクトや相手の表情に反応しやすかった!
って感じだったそうな。要するに、自分の身体の変化に敏感な人は、相手の表情やアイコンタクトにも敏感ではないのか、と。ゆえに、コミュニケーション能力も高いのではないか?とも推測されるわけです。
このような結果が出た理由はよくわからんですけど、おそらくは、
- 人間は自分の身体に起きる感覚をベースに、相手の内面を推測してるから?
みたいなことは考えられましょう。事実、先行研究でも「内受容感覚が敏感な人は共感力が高い!」みたいな話もありまして、身体感覚とコミュ力が結びついてる可能性はあるよなーとか思うわけです。
もちろん、これは一時点での関係性を見ただけなんで、この結果だけをもって「内受容感覚を鍛えれればコミュ力が上がる!」とは言えないものの、あらためて内受容感覚のおもしろさを教えてくれるナイスな研究だと申せましょう。
いまんとこ内受容感覚を鍛える方法にこれといったものはないんですが、
- HIITのような激しい運動(運動は身体の変化が激しいので、身体感覚に敏感になりやすい)
- ボディスキャン瞑想(個人的にはこれが一番かなと思う)
- オープンモニタリング瞑想
あたりは良いトレーニング法になるのでは?と考えております。いずれにせよ、内受容感覚への敏感さは、高めておいて損はないかと思いますねー。