筋肉の成長を測るのに「計測テープ」ってどこまで使えるの?問題
筋トレ好きなら「筋肉って増えないよなー」と思ったことがあるはず。筋肉の増加は超ゆっくりしたプロセスなんで、「これってホントに成長してるんかな?」と疑いを持っちゃうケースは普通でしょう。
その代わり、たいていは筋肉の成長の代わりにパフォーマンスの変化を見ることが多く、私も主に「ボリュームがどれぐらい変わったか?」を目安にしております。
ただ、ボリュームの変化は必ずしも筋肉のサイズの変化に等しいわけじゃないんで、もうちょい正確なところを知りたい方は別の手法を使わねばならないんですよねぇ。というわけで新しい実験(R)では、
- 測定テープを使った計測って頼りになるの?
みたいなところを調べてくれておりました。測定テープってのはこういう商品のことで、こいつで腕のまわりなどを定期的に計測して、どんだけ数値が上がるかを確認するわけっすね。
測定テープの精度を確かめるにあたり、どんな調査を行ったかと言いますと、
- 筋肉量の変化を調べた過去の研究から3つを選び、67名の若い男性のデータを分析に使用
- 3つの研究とも、トレーニングプログラムの前後で、腕を曲げた状態での腕まわりの長さをテープで測定。と同時に、超音波で上腕二頭筋(力こぶ)の筋肉の厚みを測定
- トレーニングプログラムには、上腕二頭筋と上腕三頭筋を週6~12セット、1セットあたり8~12RMを週1~2回行うものが含まれていた
みたいになります。超音波で計測した筋肉の厚みと、単に腕周りをテープで測った場合で、どれぐらいの違いが出るかをチェックしたわけっすね。
その結果、どんな傾向が確認されたかと言いますと、
- 2013年のデータ
- 超音波による筋肉の厚みの変化:32.9mm → 34.9mmで6.1%の変化
- テープによる腕まわりの変化:31.3cm → 32.8mmで4.8%の変化
- 2015年のデータ
- 超音波による筋肉の厚みの変化:32.9mm → 34.3mmで4.3%の変化
- テープによる腕まわりの変化:33.0cm → 34.3mmで3.9%の変化
- 2018年のデータ
- 超音波による筋肉の厚みの変化:36.4mm → 37.1mmで1.9%の変化
- テープによる腕まわりの変化:36.1cm → 36.5mmで1.1%の変化
みたいになります。細かい数字が多くてわかりにくいですけど、個人的には「あれ?テープって意外と精度が悪くないのでは?」とか思いました。もっと大幅にずれそうなイメージがあったんで。
ちなみに、全体的には筋肉の厚みのほうが多めに出てますが、筋厚測定は皮下脂肪の変化を取り除いてるのに対して、腕まわりは皮下脂肪そこらへんの違いが出るのかもしれませんな。もしトレーニングのおかげで脂肪が減ってるなら、腕まわりは筋肉の変化を小さく見積もってる可能性があるんで。
確かに超音波よりは精度が落ちるんでしょうが、これぐらいの違いならテープの計測も現実的かなーって気がしました。ただ、注意点としては、
- テープにかかる小さな力の違いで変化が出るんで、テープを使うときは何度かやった平均値を取ったほうが良さそう
- いまの腕まわりが38cm前後ぐらいの人は、腕まわりは2〜3ヶ月の期間で0.4 - 1.8センチぐらいしか変わらないみたいなんで、最低でも3ヶ月ぐらいのスパンを取って比較しないと意味がなさげ(特に筋トレ歴が長い人ほど変化は少ないので、もっと長いスパンで見てもいいぐらい)
ってのがあるんで、そこさえ守ればテープで記録を残すのも良い選択かもしんないっすね。まぁ個人的には筋肉の変化にはさほど興味がなくて、どっちかといえば「少しずつ重いものを挙げられるようになってるか?」ってとこを重視してるんで、私はボリュームを目安にし続けるとは思いますが。