筋トレをしてる人・してない人に最適なタンパク質の摂取量はどれぐらいか?のメタ分析
https://yuchrszk.blogspot.com/2021/02/blog-post_23.html
「不老長寿メソッド」には「タンパク質は前に言われてたより食べた方がいいよー」みたいなことを書いたわけです。かつては「1日に体重1kgあたり0.66gのタンパク質を取ろう!」とか言われてたんですけど、アミノ酸酸化指標法って新しい手法を使ったら、実際にはもっと大量に必要なことがわかってきたんですよね。
では、さらに具体的にな疑問として、
- どこまでタンパク質を増やしてもメリットは得られるのか?
- 筋トレをしてる人としていない人で違いはないのか?
みたいなのがあったりします。だいたいは1日に体重1kgあたり1.2〜1.6gぐらいを摂取するのが定番なんですけど、もっと量を増やしても筋肉量に良い影響があるのではないか?という問題ですね。
というわけで、新たなメタ分析(R)は、そこらへんをガッツリ調べてくれておりました。調査の内容をざっと見てみると、
- 過去のタンパク質研究から105件をピックアップし、5402人分のデータを分析
- 実験は平均19.8週間で、最も長い試験は18ヵ月間
- タンパク質の摂取量は1日に体重1kgあたり0.64~3.50g
- 実験に使ったタンパク源は、ホエイ、カゼイン、大豆、グルテン、卵など
- 「筋肉量の変化」をメインに調べており、その他には筋力、体組成の変化も調べた
みたいになってます。それで何がわかったのかと言いますと、
- タンパク質の摂取量が1日1.3g/kg未満の人は、タンパク質摂取量が1日0.1g/kg 増えるごとに、除脂肪体重(≒筋肉)が0.39kg増加する
- タンパク質の摂取量が1日1.3g/kg以上の人は、タンパク質摂取量が1日0.1g/kg 増えるごとに、除脂肪体重(≒筋肉)が0.12kg増加する
- 筋トレをしている人は、1日のタンパク質量が3.5 g/kgになるまで筋肉が増えるメリットが得られた
- ただし、筋肉の増加率はタンパク質の摂取量が1日1.3g/kgになるまでがもっとも大きく、そのあとは筋肉の増え方がゆるやかになっていく。タンパク質が1日1 g/kgのあたりでは約0.9 kg増加が見込める
- 筋トレをしていない人は、1日のタンパク質量が1.3 g/kgになるまで筋肉が増えるメリットが得られ、それ以降は逆に筋肉の増加量は下がる
みたいな感じです。以上の話をざっくりまとめると、
- 基本、タンパク質の摂取量が1日1.3g/kgまでは、筋トレをする人もしない人でも激しいメリットを得られる
- ただし、筋トレをする人なら1日3.5 g/kgまでジワジワと筋肉が増え続ける
- 筋トレをしない人は、1日1.3 g/kgのラインで止めておくといいかも(筋肉量については)
といったところですね。基本、筋トレをしてれば3.5g/kgまで筋肉が増えるってのはすごいもんすね。
まー、細かいところを言ってしますと、この研究にも難点はありまして、
- 研究ごとに体脂肪の測定法が違うので、直接比較するとズレが大きくなるかも
- 使われたデータは海外の白人が中心だが、日本の食事摂取基準を使っている
といったあたりは、軽く誤差につながってそうな気もするわけです。個人的な感想としては、2018年に出た別のメタ分析(R)などもあわせて考えると、
- 基本、1日に体重1kgあたり1.3g〜1.6gぐらいを目指しつつ、筋トレの効果をさらに出したい時は2.0g/kgぐらいを狙おうかな〜
ぐらいの気持ちでおります。ではまたー。」