高齢者が若者を上回るふたつのポイントとは?みたいな実験の話
「不老長寿メソッド」では「老化に対してネガティブな印象を持たない方がいいよー」ってポイントを強調しております。人間はマイナスの思い込みに弱いので、そこらへんをクリアにしとかないと、ストレスが溜まっていくばかりなんですよね。
で、新たなデータ(R)は、「高齢者には若者にないメリットがあるよ!」って報告されてていい感じでして。
実験の参加者は、高齢者(平均71歳)と若者(18~35歳)が34名ずつ。全員にたいして、
- 認知力の高さ
- 不安と抑うつのレベル
- 注意力をどれだけ維持できるか
みたいなところを計測して、その上で定期的に精神状態を報告してもらったそうな。
すると、高齢者には若者にない利点が見つかりまして、
- 認知テストでのパフォーマンスは、若年者よりも高齢者の方が優れていた
- ただし、高齢者は若年者よりも注意力を持続するのがうまく、マインド・ワンダリング(指示されたタスクから気が逸れちゃう状態)を報告した高齢者が27%だったのに対し、若年者は45%だった
- タスクのパフォーマンスは若年成人と高齢者は同じぐらいだったが、基本的に高齢者の方が集中力があった
- 高齢者は若年者よりも不安や抑うつのレベルが低く、タスクへのモチベーションも高かった
って感じだったそうな。高齢者の認知が若者に勝てないのはしかたないものの、その代わりに高齢者のほうが集中力やモチベーションが高いんだ、と。
研究チームいわく、
「年寄りは頭がボーっとしている」などと言われがちだが、普遍的な真理ではない。
今回の研究では、高齢者は若年者よりも集中力があり、不安感に悩まされず、精神的にも落ち着きがあることが示唆された。
高齢者は、自らのモチベーションを高め、より高い集中力を発揮できるようなテクニックを意識的に使うことで、認知機能の低下によるデメリットを補えるだろう。
とのこと。まぁ34人だけの研究だと、必ずしも「高齢者は集中力が高い」とは言い切れないんですけど、「高齢者ほど不安や抑うつの傾向が少なくなる」や「高齢者ほどマインドワンダリングが減る」といった報告は過去にも出てまして、こういった現象はあるのかもなーって感じですね。
こういった違いが出る理由については諸説あるんですけど、
- 若者は脳の反応スピードが早いので、その分だけ脳内に浮かぶよしなしごとに気を引かれやすいのでは?
- 高齢者は経験値もあるし、若者と比べて人生に多くを望まなくなるので、その分だけ幸福度が上がるのでは?
みたいな仮説が提唱されております。まー、なにが正しいかは謎ですが、高齢者がメンタルと集中力の面で若者より優位にあるのかも?って気はしますね。