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今週半ばの小ネタ:コーヒー脳にも良い説、IQって結構ガッツリ上げるられるんじゃないか、金持ちの男はどこまで激しくモテるのか?


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

      

 

 

 

コーヒー、やっぱり脳にも良い説

コーヒーは最高の健康ドリンクだ!というわけで、ブロマガのほうでも推奨プロダクトをとりあげてるわけですが、新しい研究(R)では、

 

  • コーヒーを飲むとアルツハイマー病のリスクが低下する!(可能性がある)

 

って結論になってて良い感じでした。コーヒーがアルツハイマーのリスクを下げるのでは?って考え方は昔からあったんですが、このテーマに関する長期的な研究はほとんど行われてないので、なかなかありがたい調査ですね。

 

 

これは、平均年齢69歳の高齢者227人を対象にしてもので、

 

  1. いつもどれぐらいコーヒーを飲んでいるか?
  2. エピソード記憶、認識記憶、実行機能、言語、注意、処理速度のレベルは?

 

ってあたりを10年間にわたって調べ続けたとのこと。認知の測定は最大で7回行われたそうで、また、参加者の一部は定期的に脳容積の変化を測定するためにMRIスキャンとPETスキャンを受けてもらったとのこと。この手の調査としてはかなり大規模で、信頼感が高めでよいのではないでしょうかー。

 

 

で、その結果なにがわかったかと言いますと、

 

  • コーヒーを多く飲む被験者は、10年間を通じて、実行機能と注意の領域で認知機能の低下がゆるやかだった
  • また、コーヒーを多く飲む参加者は、10年のあいだに「軽度認知障害」または「アルツハイマー」になるケースが少なかった
  • さらに、PETスキャンの解析では、コーヒーを多く飲む人ほど、脳内のAβアミロイドがたまりにくかった。ただし、MRI検査では、コーヒーの摂取は脳体積の萎縮と関係がなかった

 

みたいな感じです。あくまで推測ではありますが、おそらくコーヒーを飲むことでAβアミロイドの酸化ストレスがやわらぎ、脳機能の劣化を遅くしてくれるんでしょうな。やはりコーヒーいいっすね。

 

 

研究チームいわく、

 

我々の試算では、家庭で飲まれる平均的なコーヒーが1杯240gだとすると、1日1杯から2杯に摂取量を増やすことで、18ヶ月の間に実行機能の低下が最大8%減少し、同じ期間に脳内Aβ-アミロイドの蓄積を最大で5%減少させることができると考えられる。

 

とのこと。8%と言われると微妙な印象を受ける人もいるかもですが、これぐらいの数値が出る食品って少ないので、結構な効果だとお考えいただければ幸いです。

 

 

もちろん、この研究だと「コーヒーのどの成分が効いてるの?」ってとこはわからんのですが、おそらくポリフェノールなどが効いてるんでしょうな。また、その他の注意点としては、

 

本研究では、中年期のコーヒー摂取に関するデータがないため、中年期におけるコーヒー摂取の潜在的なプラス効果やマイナス効果を評価することはできない。また、コーヒーの準備方法(カフェインレスコーヒー、抽出方法、ミルクや砂糖の有無など)の違いが及ぼす影響も明らかにされていない。

 

ってあたりも気に留めていただけるとよいかと思います。まぁ私としては今後もコーヒーは飲み続けるつもりですが。

 

 

 

IQって結構ガッツリ上げるられるんじゃないの?説

「IQが高い人ほど人生がイージーモードになりやすい」ってのは良く言われることで、おそらく正しいのだろうと個人的にも考えております。IQが高いほうがやっぱり年収は上がりやすいし、高い地位にもつきやすいみたいなんですよね。

 

 

ただ、同時に「IQは変化しない」という説もあるのが難しいところ。IQってのは遺伝の要素が大きいので、なかなか変えられない可能性があるんすよ。

 

 

が、近ごろチェックした研究(R)はなかなか希望がある内容になってまして、結論から申し上げますと、

 

  • 10代前半から後半にかけての若者は、わずか4年間でIQは20ポイントも変動する

 

って感じです。この研究は、33人の若者を4年間にわたって追跡調査したもので、その結果について研究チームは以下のように説明しておられます。

 

2008年のIQテストの成績は、4年前と比べてかなり変化していた。ある被験者は著しく成績が良くなり、ある被験者は著しく成績が悪くなっていた。

また、この成績の変化は、脳の構造の変化との間に明確な相関関係があることがわかったので、このIQの変化は本物だと言える。

 

というわけで、若者のIQにはかなりの可変性があり、たったの4年でも脳には大きな変化が起こり、具体的な数値に20もの違いが出るかもしれないらしい。

 

 

さらに研究チームは、この結果を体力の変化に例えてまして、

 

14歳で運動神経の良い若者が運動をしなくなると、18歳で運動神経が大きく低下する可能性がある。逆に、運動不足の若者であれば、運動することでずっと健康になることができるだろう。

 

と言っております。人間の脳はトレーニングでガンガンに変わっていくものなので、訓練を怠ればIQもガッツリ低下するのではないか、と。

 

 

もちろん、この研究だと「大人の脳にも当てはまるのか?」ってポイントと、「遺伝で決められたIQ以上に高めることは可能なのか?」ってポイントの答えはわかりませんけど、チームは「同じことが大人の脳にも当てはまるかもしれない」と考えているらしい。

 

脳の構造が大人になってからも変化するなら、IQも変化するのでだろうか?私の推測では、イエスだ。

 

私たちの脳は、大人になっても適応し、その構造が変化することを示唆する証拠がたくさんある。

 

ヒトの脳は生涯にわたって変わるので、それならばトレーニングを続けることでIQが高くなるとは言えないまでも、少なくともIQの低下は防げるんじゃないかってことですね。このご意見には私も賛成でして、できれば高齢になっても遺伝で受け継いだIQの上限値は保ちないなーとか思っております。

 

 

 

【知ってた】金持ちの男はモテると言うが、実際にどこまで差が出るものなのか?

金持ちがモテるのは今さら議論するまでもない真実ですけど、「では具体的に金があるとどれぐらいモテるのか?」を調べたデータ(R)が出ておりました。

 

 

これは世界の24カ国から180万人のオンラインデートのデータを集めた調査で、まずは全ユーザーの行動をもとに以下のポイントをチェックしております。

 

  1. 関心指標:そのユーザーが、他のユーザーからどれぐらい関心を持たれているか。メッセージ、いいね、ウィンクなどの数をもとに測定

  2. 能力指標:そのユーザーが、どれぐらい豊かなリソースを持っているか。その人の収入と教育水準をもとに測定。

 

要するに、収入&学歴が、どれぐらいマッチングアプリ上でのモテに左右するかを調べたわけですね。

 

 

その結果をざっくりまとめると、こんな感じになります。

 

  • すべての国において、女性は男性よりもだいたい540%から780%ぐらいの「関心指標」を受け取っていた(つまり、世界中で女性のほうがモテまくっている)

 

  • 平均的な能力指標の男性(ある程度の大学教育を受け、年間約3万ポンドの収入がある人)は平均で約8の関心指標を受け取ったのに対し、女性はその3倍以上となる26の関心指標を受け取っていた

 

  • 収入と学歴の合計が平均より1標準偏差大きい男性は、収入と学歴の合計が平均より1標準偏差小さい男性に比べて、255%の関心指標を得た

 

  • 一方、収入と学歴の合計が平均より1標準偏差大きい女性は、収入と学歴の合計が平均より1標準偏差小さい女性より103%の関心指標を得た。

 

ということでして、収入と学歴を兼ね備えた男性は、そうでない男性より3倍もオンラインでモテやすいんだ、と。かなり激烈な差が出ましたね。女性も収入と学歴がある人のほうがモテるものの、男性のモテっぷりと比べると低くなるみたいですなぁ。

 

 

ちなみに、このデータセットに含まれる国の多くは豊かな欧米諸国(オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、ポーランド、アメリカなど)で、そうでない国はほんのわずか(メキシコ、チリ)。アジア圏のデータもふくまれてないので、果たして日本でも同じような結果が出るかはわからないものの、日本でも金持ちがモテるって傾向は一貫してるんで、似たような数字は出るかもですな。また、この研究からだと、「オンラインで関心を集められる人がオフラインでもモテるのか?」ってのはよくわかりませんので、その点もご注意くださいませ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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