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【質問】メンタルと体の疲れが限界に達したサインってどう判断すればいいですか?


 


こんなご質問をいただきました。

 

鈴木さんはよく休暇の大事さを言っていると思います。それはよく理解できるのですけども、「不老長寿メソッド」などでは自分を少し追い込むのも大事だと言っているとも思います。そこで質問なのですが、自分が休むべき段階に入ったのをどう見極めればいいのでしょうか?本当は休んだ方がいい限界に入っているのに、自分では判断が付かなそうで怖いです。

 

ということで、ご指摘のとおり、「不老長寿メソッド」では「休息とストレスのくり返しで体内が健康になるよー」って話をしております。慢性的なストレスが体に悪いのは常識ですけど、だからといって怠けすぎた場合も人間の体はおとろえてしまうんですよね。このバランスが難しいところです。

 

 

でもって、ご質問にもありますとおり、いくら適度なストレスは良いとは言っても、限界を見極めずにストレスを与えちゃったらメンタルと体が破壊されてしまうのは間違いないところです。この問題については、「会社と上司のせいで燃え尽きない10の方法 」で有名なフロイデンバーガー先生の研究がわかりやすくて、人間がストレスで燃え尽きてしまうまでの段階を5つにまとめてくれてますんで、こいつなどを参考に、ストレスが限界に近づいたかどうかを判断するためのガイドラインを、おおまかに見ておきましょう(R)。

 

 

  1.  ハネムーン期:第1段階は、ハネムーン期と呼ばれてまして、新しい職務に就いた直後などで、ストレスが限界に近づいた兆候はまったくなく、むしろ仕事に対する熱意と喜びに満ちたステップです。おかげで生産性が高く、パフォーマンスも最高潮で、エネルギーに満ちていると感じられます。

    願わくば、ずっとこの段階にいるのが理想的なんですが、ハネムーン期ってのは、熱意がありすぎるために働き過ぎちゃうリスクもありまして、ここで定期的に疲れを取っておかないと、いつの間にか次のステージに進んでしまう可能性があるので注意したいところ。



  2. ストレスの発生:ハネムーン期で休憩を取らないと、次のステージに進みます。この段階では、プライベートの時間を持てなくなり、家族や友人との付き合いも減少。仕事が生活の中で最も重要なものになってしまうことが多く、集中力の欠如、頭痛、不安、食欲の変化、高血圧といったストレスの初期症状が現れます。



  3. 慢性的なストレス:ストレスの初期症状を何度も経験すると、今度は慢性ストレスの段階に入ります。その結果、問題解決能力やパフォーマンスが低下し、「自分は人生をコントロールできない!」「自分は無力だ!」みたいな感覚が誕生。いかに努力をしていても、以前と同じような生産性は得られなかったりします。

    その結果、第2ステージの症状がさらに強まっていき、体調を崩す回数もかなりアップ。さらに、自分の感情をうまくコントロールできなくなり、ちょっとしたことでも攻撃的になったり、怒りを止められなくなったり、悲しくなったりと、情緒が不安定になったりすることも多め。極端な場合には、ネガティブな感情から逃れるために、アルコールにハマっちゃう人が増えるのもこの段階です。



  4. 燃え尽き症候群:この段階は、いわゆる典型的な「燃え尽き症候群」そのものです。前までのステージでちゃんと休憩を取っておかないと疲労のレベルは限界に達し、仕事のパフォーマンスが大きく下がり、日常でも失敗と無力感が続き、やがて「もう何をやってもダメだ!」といった気分が高まり、仕事に対して無関心になっちゃったりします。

    さらに、身体的な症状も大きく、いっつも疲れていたり、便秘や下痢が続いたり、慢性的な頭痛に悩まされたり、疲れているのに眠れなくなったり、いつもより食べる量が極端に増えたり(または減ったり)、運動もしてないのに筋肉痛が起きたりと、謎の体調不良にも悩み始める段階ですね。



  5. 習慣性バーンアウト:燃え尽き症候群から回復することができず、その状態が生活の一部になってしまった状態です。このステージに入ると、燃え尽きから抜け出すのはさらに難しくなり、仕事でトラブルが起きるのはもちろん、プライベートの人間関係にまで影響が出てしまったりします。

    そのせいで、かつては好きだった趣味にも喜びを感じられなくなり、何もする気が起きなくなることも。いつも悲しくて憂鬱な状態が続くので、ここから抜け出すには外部の助けが必要になるかもですね。

 

 

ってことで、以上が「人間のメンタルが限界を迎えていくまでのステップ」になります。こうして見ると、基本的なスタンスとしては、

 

  • ものごとがすべてうまく行っていて、モチベーションにあふれているとしても、決して休憩は忘れるな!

 

  • ステージ3の「慢性的なストレス」まで進むとかなり赤信号!とにかくセルフケアを徹底だ!

 

  • 願わくば、ステージ2でストレスの初期症状が出た段階でガッツリ休むしかない!

 

みたいになるでしょうね。幸いにも私は燃え尽き症候群にはなったことがないんですが、やはりステージ3まで行ったことはあって当時は難儀しました(いろんな仕事を引き受けすぎてパンクした)。このへんは、「いま自分はどのぐらいのステージだろう?」みたいに、自分をモニタリングするしかないっすな。

 

 

ちなみに、具体的に「ステージ2の段階でどう休憩するか?」ってとこも気になりますが、その点については拙著「超ストレス解消法」や「不老長寿メソッド」をご参照ください。ざっくりしたアドバイスとしては、「毎日少しでも自分の好きなことをする時間を作る」ってだけでもだいぶ違いますんで、1日15分から20分でもいいので趣味やレクリエーションの時間を作っておくのがよろしいかと思います。どうぞよしなに。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。