このブログを検索

「釣りタイトル」って読者を集めるのに本当に有効なの?という研究

 


クリックベイトってあるじゃないすか。簡単に言えば、ネットニュースとかYou Tubeでよく見る「煽りタイトル」のことで、「衝撃の展開が!」「とんでもないことになりました……」「秒で億万長者になるたった1つの方法」「2位の◯◯を抑えて1位になったのは?」みたいなやつですね。

 

 

もちろん、タイトルと内容が釣り合ってれば問題はないんですが、たいていは過剰な言葉づかいでユーザーの注意を引くるように仕向けただけでして、一般には「記事への注目度は高まるかど、情報の信頼性は低下させるよねー」と考えられております。まぁ直感的にはそんな気がしますよね。

 

 

では、実際のところ「クリックベイトってのは意味があるのか?」ということで、具体的な効果を調べたデータ(R)が出ておりました。

 

 

これはデュースブルク・エッセン大学などの研究で、Facebookに流れるニュース記事が使うクリックベイトを調べて、それぞれのシェア数やコメント数といった、ユーザーのエンゲージメントへの影響を調べたんだそうな。「え?クリック数は調べてないの?」と思った方もおられるでしょうが、残念ながら、この調査ではクリック数の情報が得られなかったとのこと。

 

 

具体的には、2017年にFacebookに投稿されたニュースのなかから、報道機関が手がけた記事を4,000件ほどピックアップ。全ニュースのうち、わりとまじめな報道機関によるものを5社、タブロイド系によるものを5社ずつ使ったらしい。「なんでFacebook?」と思う人もいそうですが、これは、2017年当時はまだFacebookが世界で一番のニュース配信サイトだったからだそうです。そういえばそんな時代もあったかも。

 

 

で、すべての記事とタイトルをチェックしたところ、以下のような傾向が見て取れたそうです。

 

 

  • 見出しの疑問符(?)や感嘆符(!)が煽っているタイトルの場合、リアクション、シェア、コメントが最大で2.5倍増加した。しかし、記事本文で疑問符や感嘆符の乱用をした場合はシェア数の減少につながった。ちなみに、このパターンのタイトルでは、「!!!」みたいに感嘆符を連打したり、「!?!?」みたいに両者を乱打したりといった使い方がよく見られたっぽい。

 

 

  • 見出しや記事本文で質問を多用する場合は、インタラクションの増加とは関連性がなかった。これは「電磁波は本当に危険なのか?」とか「「仕事の速い人」はなぜすぐ腹を立てるのか?」みたいなパターンですな。アクセス数が増えるタイトルの定番みたいな印象ですけど、意外と インタラクションとは関係がないんですね。

 

 

  • 見出しが長いと、投稿に対するインタラクションが減少する。逆に、記事本文は、文字数が多い方がエンゲージメントが高くなった。

 

 

  • 見出しの文字数が2倍になるとコメントは23.7%減少するが、リアクションやシェア数に差はない。逆に、記事本文では、単語数が2倍になると、すべてのエンゲージメントが増加した。タイトルは短く、記事は長いほうがいいんだ、と。

 

 

  • ありがちなクリックベイトフレーズ(要するに「釣りタイトル」)は、そのようなフレーズを使わない記事と比較して、リアクション、シェア、コメントの約4分の1が失われていた。

 

 

  • ネガティブな表現はコメント量が増えやすいが、見出しはポジティブなほうがコメントが増える。

 

 

ということで、いろんな知見が得られてますが、研究チームは特に「釣りタイトル」に効果がない点に驚いておられました。

 

驚くべき発見のひとつは、典型的な釣りフレーズが、3つのエンゲージメント次元のすべてにマイナスの影響を与えるということだ。

 

その理由は、これらのフレーズが「釣り」の手法としてあからさまなため、読者がすでにうんざりしているからかもしれない。ほとんどの読者は、このような見出しをクリックした後でガッカリさせられることを知っているのだ。

 

とのことで、確かに私も定番の釣りフレーズ記事は見に行かないので、これは納得でありました。定番フレーズは使わないほうがよさそうっすね。

 

 

ちなみに、さらに研究チームいわく、

 

もしこれらの「釣りタイトル」が重要なトピックに使われ、読者に誤解を与えないのであればWin-Winの状況になり得る。この手法で注目を集めるだけでなく、良質なコンテンツを提供することができればいいのだ。

 

とのこと。中身が釣り合ってれば、別にタイトルで煽ってもいいのでは?ってことですが、それだけの中身の文章を書けることってほとんどないからなぁ……。


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。