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タフなメンタルを手に入れるには、要するに何を鍛えればいいの?

 


タフなメンタルが欲しい!」という人は多いでしょう。メンタルがタフであれば、どんなしいことがあってもへこたれずに前に進めますもんね。そのため、メンタル・タフネスに関する本も大量に出てまして、「メンタル・タフネス 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術」などが定番ですな。

 

 

ただ、ここで難しいのが、「メンタル・タフネスってどういう意味なの?」ってとこじゃないでしょうか。いろんな本を読んでも、メンタル・タフネスの定義はわりとあいまいで、「ストレスに強い」とか「モチベーションがある」とか「集中力が高い」とか、いろんな考え方が混在してて、いまいちよくわからんのですよね。

 

 

ってことで非常に参考になるのが、ULPGCなどが行った研究(R)です。これは、メンタル・タフネスの定義をちゃんと定めたうえで、これをアスリートと非アスリートで比較したものであります。

 

 

なので、今回のエントリは、「メンタル・タフネス」の鍛え方えはでなく、「メンタル・タフネスの定義とは?」ってポイントにフォーカスした内容になります。「鍛え方が知りたい!」って人は多いでしょうけど、メンタル・タフネスの構成要素がわからないと、そもそもトレーニングしようがないですからね。

 

 

メンタル・タフネスの構成要素をまとめるにあたり、研究チームは、マンチェスター・メトロポリタン大学などのチームが過去に行ったレビュー(R)をピックアップ。これもとに、メンタル・タフネスの構成要素を、大きく4つの次元にまとめあげたんですよ。

 

  • 希望:目標を達成するための自分の能力に自信を持てる能力(「トラブルを脱する方法はたくさん考えられる!」みたいに思えるかどうか)

  • 楽観:たぶんうまくいくだろうと思える能力(「目標は厳しいけどなんとかなるだろう!」と思えるかどうか)

  • 忍耐:逆境や困難に直面しても簡単にあきらめない能力(「私は他の人があきらめた後もずっと仕事を続けられる!」と思えるかどうか)

  • 回復:トラブルに適応する能力(「どうしようもないことにはくよくよしない!」と思えるかどうか)

 

こうしてまとめられると、確かにメンタル・タフネスの定義としては過不足がなさそうな気がしますね。

 

 

でもって、研究チームは、アスリート927名と非アスリート931名を集めて、これら4つの要素が正しいかをチェック。その結果、4つの構成要素はすべて互いに有意に関連し、メンタル・タフネスの要因として正しいことがわかったんだそうな。

 

 

また、この研究では、「アスリートは一般人よりもメンタル・タフネスのスコアがはるかに高い!」って結果が出てまして、やはりアスリートは自然にメンタル・タフネスが鍛えられているようであります。

 

 

念のため、その他にわかったポイントを紹介しておくと、こんな感じです。

 

  • メンタル・タフネスは、年齢とともに増加する。これは、人生経験を積んだおかげでメンタルが強くなるからだと思われる。
  • メンタル・タフネスが高いアスリートは、低いアスリートに比べて、平均して練習時間が長かった。
  • メンタル・タフネスが高い人は、プレッシャーの中でも決意、集中、自信を保ち、コントロールするのがうまかった。

 

ってことで、メンタル・タフネスを鍛えたい方は、上記の4要素にフォーカスしてトレーニングプランを考えていくのがよさそうであります。

 

 

それでは最後に、メンタル・タフネスのテストを紹介しておくので、ぜひ自分のメンタルのタフさをチェックしてみましょう。以下の項目について、それぞれ5点満点で採点してください。ひとつの項目に時間をかけ過ぎず、直感で答えるようにしてください。

 

  • 1=強く反対
  • 2=反対
  • 3=賛成でも反対でもない
  • 4=賛成
  • 5 = 強く同意する

 

  1.  大きなプレッシャーがかかっても、いつも冷静でいられる。
  2.  私は、実際に物事が起こるかなり前に心配する傾向がある。
  3.  私は普段から、自分がやらなければならない仕事に対して、なかなか熱意を持てない。
  4.  起こった問題には、たいていうまく対処することができる。
  5.  自分は価値のある人間だと思う。
  6. 一度にいくつものことをやらなければならないときは、たいてい「何から手をつけていいかわからない」と感じる。
  7.  言いたいことがあるときは、たいてい自分の意見を言う。
  8.  失敗すると、たいていそのあと何日も悩んでしまう
  9.  議論の場では、自分が強く思っていることであっても、引き下がる傾向がある。
  10.  概して、自分が支配されていると感じている。
  11.  自分の人生がもっと予測可能であればいいのにとよく思う。
  12.  疲れているときは、なかなか動き出すことができない。
  13.  予想外のことが起こったときも、私はだいたい素早く反応できる。
  14.  どんなに悪いことがあっても、最終的には前向きに解決できると思う。
  15.  私は概して、人生の明るい面を見ることができる。
  16.  私はリラックスするのが苦手だ。
  17.  私はたいてい、疲れているときにに精神的な努力をするのは難しい。
  18.  誰かが間違っていると感じたら、私はその人と議論するのを恐れない。

 

採点が終わったら、まずは以下の項目を逆スコアにしましょう(5=1、4=2、3=3、2=4、1=5)。

 

  • 2, 3, 6, 8, 9, 11, 12, 16, 17

 

そのうえで、すべてを合計したら、以下のように判断してくださいませ。

 

  • メンタル・タフネスは高め=70~90

  • メンタル・タフネスは普通=58-69

  • メンタル・タフネスは低め=18~57

 

こうして見ると、自分は回復力がまだ足りないようなので、そこを中心に鍛えるか……。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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