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ストレスの解消に効く「最強の呼吸ワーク」はこれだ!



 このブログでは、よく「呼吸って大事よねー」という話を書いております。代表的なところをあげると、

 

 

って感じでして、とにかく呼吸ってのは人生の改善につながりやすいポイントなんですよ。というわけで、有料ブロマガのほうでも「豆腐のメンタルを劇的に改善させる『ブレスワーク』5つの最大ポイント」なんて話を書いてまして、定期的に効果的なブレスワークの方法をお伝えしているわけです。

 

 

でもって、新たに出た文献(R)も呼吸法に関する研究でして、

 

  • ストレスを対策に使えるブレスワークのベストとは?

 

って問題について調べてくれてます。 集中力アップや、不安の改善など、呼吸法の効果はいろいろありますが、ここではストレス対策に的を絞って、ベストな方法を調べてくれたわけですね。

 

 

これは、スタンフォード大学などが行った研究で、108人の参加者を募集したうえで、みんなをランダムに4つのグループに分けてます。

 

  1. パワーブリージング: 短く吸って長く吐くことを重視する呼吸法。くわしくは「10秒以内に不安が減ってクールな自分を取り戻せる『パワーブリージング』法」を参照。


  2. タクティカルブリージング:決まった秒数で呼吸をくり返す呼吸法。くわしくは「米軍が戦場のストレス解消に使う最強の呼吸法『タクティカルブリージング』」をどうぞ。


  3. 過呼吸:一気に息を吸って、ちょっとだけ息を止め、そこからスピーディに息を吐くタイプの呼吸法。


  4. マインドフルネス瞑想:具体的な呼吸法は指示されず、ただ「両目の間の額の部分に意識を集中するように」とだけ言われる。もしマインドフルネス瞑想中に意識がそれてしまった場合は、「まず呼吸に意識を戻し、次に目と目の間の額の部分に意識を集中させる」よう指示された。

 

ということで、上記の2つは、このブログでも過去に取り上げた定番の呼吸法ですね。個人的にも、パワーブリージングは気づいたら行うようにしています。

 

 

各グループのトレーニングは1日5分間で、これを28日間ほど続けたとのこと。そのうえで、これらのストレス軽減法のうち、どれが最も生理的な覚醒感を減らし、気分を高めるのに有効であるかを確認したわけです。

 

 

で、結果でーす。

 

  • この研究で使われた4つのテクニックには、すべて良い効果が示されたが、大きく見るとマインドフルネス瞑想より呼吸法のほうが効果的にストレスを低下させた(まぁマインドフルネス瞑想の 効果を得るには慣れが必要なので、そのせいかも)。

 

  • 呼吸法のなかでもベストな効果を叩き出したのは「パワーブリージング」で、最も効果的に生理的なストレスを減らし、気分を高める効果が認められた。

 

ってことで、3つの呼吸法を比べた場合は、パワーブリージングがストレス対策のベストという結論ですね。 研究チームいわく、

 

吐く息を強調した呼吸法をトレーニングした参加者は、1ヶ月の実験期間中、ポジティブな感情の増加が最も高かった。特にこのグループは、マインドフルネス瞑想を行ったグループよりもポジティブな感情の増加率が有意に高い。他の2つの呼吸法グループも、マインドフルネス瞑想よりは効果が高かったが、この差は有意ではなかった。

 

とのこと。吐く息を長くすると、迷走神経が良い感じに刺激され、生理学的なレベルでストレス反応を抑えられるのは有名な話ですからね。その点では、やはりパワーブリージングがストレス対策のベストになるのは、納得しやすいところです。

 

 

さらに 研究チームいわく、

 

意図的な呼吸法の脳機能への影響は、少なくとも部分的には迷走神経の経路によって媒介されると考えるのが妥当である。

 

ってことでして、やっぱ迷走神経の重要さが指摘されておりました。迷走神経刺激の方法としては、ほかにも「タフなメンタルを作り出す鍵?「心拍変動」を高める10の方法」などがありますが、なかでもパワーブリージングは手軽だし、効果を示した文献も多くていい感じですねー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。