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他人に嫌われがちな人のコミュニケーションパターンTOP6

 

 

最強のコミュ力のつくりかた」では、「コミュ力がない人は“人としての魅力”が低い!」ってのをテーマにしつつ、人間の魅力を高める方法をガンガンにまとめております。

 

で、その流れで参考になるのが、ユトレヒト大学が発表したレビュー研究(R)です。これは、同大学が、過去のコミュニケーション研究をまとめたレビュー論文で、「他人に与える印象が悪くなっちゃう理由ってなに?」って問題を掘り下げてくれてます。

 

どんな人でも、「相手に良く思われたかったのになぜか嫌われた!」みたいな体験をしたことがあるはず。このような人は、普段のコミュニケーションでどんな間違いを犯しているのかってことですね。

 

この問題について、研究チームはまずこんなことを言っておられます。

 

このような印象管理の失敗は、自己愛が強いことによる弊害、あるいは自己愛によって視点がゆがんだのが原因だと考えられる。つまり、ナルシシズムによるものである。

 

ということで、世の人の多くは、自己愛が強いあまりコミュニケーションに失敗しているケースが多いんだって話です。「最強のコミュ力のつくりかた」の内容で言えば、「性格が悪いせいでコミュニケーションがうまくいかない」問題に近いポイントですね。

 

では、たいていの人は、自己愛が原因で、どのようにコミュニケーションが暴走するんでしょうか? 研究チームは、大きく6つのパターンをピックアップしてくれております。

 

 

パターン1. 視点取得の失敗

視点取得とは、他人の考えや感情を予測する能力のこと。他人の感情や反応を誤って予測しちゃうせいで、コミュニケーションのトラブルが起きちゃうパターンですね。

 

会話の例を挙げておくと、こんな感じです。

 

Aさん: 「聞いてよー。プロジェクトが成功したんだよ!やっと結果が出てさ!」

Bさん: 「そうなんだ、よかったね……。」

Aさん: 「あれ? なんか元気ない?」

Bさん: 「いや、最近、自分のプロジェクトがうまくいってなくて。ちょっと自分が情けなく感じちゃって。」

Aさん: 「あ!ごめん!」

 

こんな感じで、自分の成功を他人に話すときに、「相手も自分のうれしい気持ちを共有してくれるはずだ!」と考えたのに、実際には相手に嫉妬や不快感を覚えさせるだけに終わっちゃうようなケースが典型例。相手の感情を正しく予測できないために、意図せずしてネガティブな反応を引き起こすわけっすな。

 

 

パターン2. ナルシシズム

ナルシシズムは、自己中心的で自己を過大評価する性格特性のこと。まさに「最強のコミュ力のつくりかた」で言う「性格が悪い」の典型で、他人の評価を気にせず、自分の魅力や成功を誇示しがちなので、当然ながらコミュニケーションには支障が出ます。

 

会話の例を挙げておくと、こんな感じです。

 

Aさん: 「聞いてよ。この前のプレゼン、大成功だったんだ。やっぱり、僕のアイディアは受けが良いみたい。」

Bさん: 「それはすごいね。」

Aさん: 「でも、他の同僚たちのプレゼンは全然ダメだったよ。準備が甘いというかさぁ。」

Bさん: 「みんな一生懸命頑張ってると思うけどね。」

Aさん: 「そうかも知れないけど、みんなもっと自分を磨く必要はあるよ。」

 

まぁ、こんな会話をしてたら普通に嫌われますよね。「最強のコミュ力のつくりかた」にも書いたように、このタイプは、短期的には魅力的で面白いと感じられることもありますが、長期的には傲慢さや敵対的な態度が目立ち、周囲の人々から嫌われるようになるんですな。それと同時に、共感能力が低く、他人の視点を考慮しないんで、自分の行動が、他人にどれほどネガティブな印象を与えるかを理解できないのも問題だったりします。

 

 

パターン3. 虚栄心

虚栄心とは、自己を過大評価し、自分を他人よりも優れていると見せようとする行動のこと。「俺は他人より優れている!」って発言が多く、相手に劣等感や不快感を与えちゃうパターンです。

 

会話の例を挙げておくと、こんな感じです。

 

Aさん: 「最近、大きなプロジェクトを任されて、会社でも一目置かれてるんだ。」

Bさん: 「すごいね。どんなプロジェクト?」

Aさん: 「簡単に言うと、会社の業績を一気に引き上げるような大規模なものだよ。」

Bさん: 「頑張ってるんだね。」

Aさん: 「みんなに頼られて困るよ。ところで、Bさんは最近何か成果あった?」

Bさん: 「まあ、小さなプロジェクトだけど、成功したよ。みんなで協力してやったんだ。」

Aさん: 「へえ、まあ、チームでやるのも悪くないけど、やっぱり個人の能力が重要だよね。僕は個人の能力で成功するのが好きだな。」

 

まぁ、これも他人に嫌われるのはわかりやすいですね。とにかく、友人関係や学業成績について、自分が他人よりも優れていると主張するのがこのタイプで、当然、相手は「自分は見下されている!」と感じるわけです。

 

 

パターン4. 謙虚な自慢

謙虚な自慢は、謙虚なふりをしながら自分の成功を自慢するタイプのコミュニケーションです。たとえば、「こないだ、髪がボサボサだったのにナンパされてさぁ」みたいな発言っすね。

 

会話の例を挙げておくと、こんな感じです。

 

Aさん: 「最近はちょっと忙しすぎて、あまり睡眠が取れてないんだ。でも、そのせいでプロジェクトが大成功しちゃってさ。寝不足でもこんなに結果が出せるなんて、自分でも驚いてるよ。」

Aさん: 「それはすごいね。」

Aさん: 「大したことないよ。実は昨日も遅くまで働いてて、ついに社長から直接感謝の言葉をもらっちゃったんだ。こんなこと滅多にないから、本当に恐縮しちゃったよ。」

Aさん: 「それは、なかなかないね。」

Aさん: 「いや、Aさんならもっとすごいことできると思うよ。僕なんか、ただ運が良かっただけだし。でも、次回は今度はもっと健康に気を付けながら頑張ろうと思ってるよ。」

 

言葉のはしばしから「自慢したい!」って気持ちが漏れ出てまして、これは嫌われるのが当然でしょう。このような行動は、表面的には謙虚に見えても、不誠実だと感じられて終わっちゃうことが多いのでご注意ください。SNSでもよく見かけるコミュニケーションスタイルかもしれませんね。

 

 

パターン5. 偽善

偽善とは、「俺は道徳的な人間だ!」と言いつつ、実際の行動がそのイメージに一致しないタイプです。会話の例を挙げておくと、こんな感じです。

 

AさんのXのポスト:

「有名人がチャリティーイベントの寄付金を私的に流用していたってニュースを見たけど、本当に信じられない。人々の信頼を裏切るなんて許されるべきじゃない。こういう人たちは社会から排除されるべきだ。」

 

Aさんの過去のXのポスト:

「先日、ちょっと会社の経費を私的に使っちゃった。でも、こんな小さなこと誰も気にしないはず!」

 

こんなふうに、良いイメージを盛んにアピールするんだけど、実際の行動に食い違いがあるのが典型例です。これもSNSの議論などでよく見かけるパターンっすな。

 

 

パターン6. 皮肉混じりの褒め言葉

皮肉混じりの褒め言葉とは、表面上は褒めているふりをしながら、実際には相手を侮辱するタイプのコミュニケーションです。例えば、「インターンとしては優秀だけどね」みたいなやつっすね。

 

会話の例を挙げておくと、こんな感じです。

 

Aさん: 「Bさん、あのプレゼン、本当に驚いたよ。君があんなにうまくやれるなんて思わなかった。」

Bさん: 「ありがとう。でも、準備にはかなり時間をかけたんだ。」

Aさん: 「そうだね、君が一生懸命準備してる姿を見たとき、本当に感動したよ。普通はもっと上手に時間を使うものだけど、君なりに頑張ってたね。」

 

まぁ、ここまであからさまにやる人はいないでしょうが、このタイプの発言が受け手に不快感を与えるのは間違いなし。「最強のコミュ力のつくりかた」でも書いたとおり、つねに素直な言葉を吐くのがベストなソリューションなのは間違いなですからねぇ。

 

このへんの問題は、自分でも気づきづらいところがあるので、自分を常にモニタリングする習慣はマストになりましょう。具体的な対策については、「最強のコミュ力のつくりかた」の第3章にまとめてますんで、そこらへんをご利用ください。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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